【ライフコースを理解する】出産を機に仕事をやめる女性とやめない女性 30年の変化
(最終更新:2018年12月20日)
内閣府「平成29年版 少子化社会対策白書」から、この30年の間で女性の出産前後の就業状況にどのような変化が現れているのか見てみよう。
出産後も働き続ける女性、30年で大幅増加
結婚・出産を機に専業主婦になるというライフコースをたどるのが一般的だった1985〜1989年は、第1子出産時に仕事をしていない女性が全体の7割を占め(図中の黄色と紫)、出産後も働き続ける女性は2割(図中のピンクと青)ほどと少ない。さらに特徴的なのは、当時は、出産後も働き続ける女性のうちそのほとんどが育児休業を利用せずに就業を継続している点だ。育児休業を利用する人はわずか5.7%。
しかしその状況は徐々に変化し、2010〜2014年になると、出産後も働き続ける女性は全体の約4割と半数近くまで増え、さらに、育児休業を利用せずに働き続ける女性(図中ピンク)が減る一方で、育児休業を利用して働き続ける女性(図中青)が大幅に増えている。
出産退職女性、わずかに減少も今なおボリューム層
出産後も働き続ける女性が急速に増えているとは言え、同等の割合で存在するのは出産を機に仕事を辞める女性。この層は33.9%と全体の3割を占めており、これは、出産後も働き続ける女性の割合(38.3%)と実は大差ない。最後の調査は2010〜2014年なので、働き方改革でワーカーや企業の意識が大きく変化した直近の調査結果が出ればおそらくこの割合はさらに減っていると予想できるが、仕事と育児を両立する働き方が実現されてきているとは言え、現実は今なお出産を機に仕事を辞める女性は一定数存在する。
ただしこの層は、出産退職後もずっと専業主婦を続けているわけではない。この調査では出産後の追跡調査までは行っていないが、最近の出産退職をする女性の多くは「復職待ち」層で、未子の手がかからなくなった頃にパートや派遣で復職する意思がある。
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