セグメントとは?意味と女性顧客分析のポイント(1/2)
事業戦略を策定する際に必要な考え方が「セグメンテーション」。セグメンテーションを取り入れることで不特定多数の中からターゲットを絞り効率よく顧客にアプローチできるようになるため、特に女性をターゲットにしている場合はセグメンテーションは必須。近年の女性はライフコースが多様化したことで消費傾向や価値観が複雑化し、以前のような不特定多数を対象としたマス・マーケティングではリーチが難しくなっているからだ。
目次
セグメントの基礎知識
セグメントとは
セグメント(英語表記:segment)とは、「市場において特定の基準をもとに細分化した要素」を指す。何らかの基準で区分する作業を「セグメンテーション」と呼び、その一つ一つの要素を「セグメント」と呼ぶ。セグメント、セグメンテーションを区別なく表現することも多く、一言で分かりやすく言うなら「同じニーズや性質を持つ集団(モノ・コト・ヒト(顧客))を、小さなグループに分割していくこと」と解釈すると理解しやすい。当記事ではヒト(顧客)のセグメントに絞って解説。
考え方の事例
- 100名の女性を「運動しない派」「月数回程度運動する派」「毎日運動する派」にセグメンテーションする
- その結果、3つのセグメント割合は次のようになった。「セグメント(a)運動しない派=50人」「セグメント(b) 月数回程度運動する派=20人」「セグメント(c):運動する派=30人」
セグメンテーションを行う理由
セグメンテーションは、不特定多数の中からターゲットを絞り、効率よく顧客にアプローチするために行う。ターゲット設定を行う際の欠かせない作業の一つ。
良いセグメンテーションは最適なマーケティング戦略の土台となるため、マーケティング戦略の成果を向上させやすく、売り上げ向上や無駄な広告費を抑えられることによるコストカットを期待できる。また、セグメンテーションを行うことで“見落としている事項”の発見にもつながる。
20~80代の1,000名の女性に、健康食品Aを販売するための戦略設計を例に考えてみよう。セグメンテーションせずに販売戦略を考えると「Twitterでプロモーションしよう!」と発想するかもしれない。しかしそれでは「Twitterを積極的に使わない60~80代女性にはリーチが難しい」ことを見落としていることになる。そこで1,000名の女性を以下のように「よく見る媒体別」でセグメンテーションすることで、満遍なく1,000名の女性にリーチできる。
- セグメント1:「SNS、アプリ利用世代(20~30代女性)」
⇒予算の1/3を使ってSNS広告を活用する - セグメント2:「雑誌世代(40~50代女性)」
⇒予算の1/3を使って雑誌広告で宣伝する - セグメント3:「テレビ、ラジオ、折り込みチラシ世代(60~80代女性)」
⇒予算の1/3を使ってテレビ、ラジオ、折り込みチラシで宣伝する
高度経済成長期~バブル期前後は、女性の生き方や価値観は似通っていたため「ターゲットをセグメントすることなく、全ての女性に同じようにアプローチするマス・マーケティング」で一定の成果を出すことができた。しかし女性の生き方の多様化に伴い、彼女たちの価値観や消費傾向が多様化した現在の市場ではセグメンテーションしないマス・マーケティングでは成果を出しづらい。女性の生き方が多様化したことで消費者をひとくくりにできなくなった今の時代にこそ求められるのが、特定の集団を属性ごとに分類してビジネス戦略を考える「セグメンテーション」だ。