セグメントとは?意味と女性顧客分析のポイント(2/2)
セグメントの切り口とチェックポイント
「セグメントの切り口」と、「セグメントが成果につながるか?」を判断するためにチェックすべきポイントは各4つある。
セグメント 主な4つの切り口
- 地理的変数(オグラフィック変数)/国や地域、総人口、人口密度、気候、風土、生活習慣 など
- 人口動態変数(デモグラフィック変数)/年齢、性別、家族構成、所得、職業 など
- 心理的変数(サイコグラフィック変数)/ライフスタイル、趣向、価値観、購買動機 など
- 行動変数/商品の使用場面や利用経験、追求するベネフィットなど
セグメントのチェックポイント
- Rank(優先順位)/顧客層を重要度で分け、ランクづけをしているかどうか
- Realistic(有効規模)/当該セグメントで売上高と利益を確保できそうか、想定している顧客が十分にいなければ利益を上げられない
- Reach(到達可能性)/想定している顧客層に的確に商品やサービスを提供できるか
- Response(測定可能性)/セグメント化した顧客層からの反応を測定し、分析できるか。結果を検証できなければ、選定した顧客層が正しいかどうかがわからない
女性ターゲットのセグメンテーションのポイント
女性をターゲットにするならセグメンテーションは最も重要な作業の一つとなる。生き方が多様化しているだけでなく、出産、妊娠、結婚、介護、離婚などライフイベントを迎える度に生き方、働き方、価値観、消費行動が大きく変化するためセグメンテーションを行わないとニーズを捉えづらい。適切なセグメンテーションを行えばニーズを把握しやすくなるので、マーケティング戦略が明確になり結果的にターゲット女性へのリーチ率を格段に向上させることができる。
女性ターゲットのセグメンテーションのポイント
以下は、女性マーケティング支援事業を行う弊社ウーマンズが、クライアント企業のターゲティング開発で実際に用いるセグメンテーションの流れの一部。ざっくりではあるが、まずは以下の流れに沿ってセグメントを行うと、とらえどころのなかった女性ターゲットの人物像が明確になるので戦略を設計しやすくなる。
- 「中間層女性」か「富裕層女性」か?でセグメント
中間層と富裕層対象では、マーケティング戦略が大きく変わるため2に進む前に策定しておきたい。策定後2へ進む - ライフコースでセグメント
⇒消費傾向、ターゲット女性に響くトレンドやキーワード、受容されやすい価格帯、リーチしやすい販売戦略などが具体的に見えてくる - 各社の業界、商品・サービス特性にあわせたセグメント
(例)フィットネス施設⇒「健康関心層」か「健康無関心層」か?
(例)自動車メーカー⇒「趣味利用派層」か「(子どもの送り迎えなど)実用派層」か「(自分は運転せず)夫のみ運転派層」か?
⇒2と同様、ターゲット女性に響くトレンドやキーワード、受容されやすい価格帯、リーチしやすい販売戦略などが具体的に見えてくる
女性ターゲットをセグメンテーションするときの注意点
女性ターゲットをセグメンテーションするときの主な注意点は3つ。
(1)30歳代、40歳代などと年代でひとくくりにしない
同じ30代女性でも例えば「シングル」「子育て中専業主婦」「働くママ」では全く異なる生活行動、消費行動、価値観を持っている。年齢でひとくくりにしてしまうと、「結局誰の心にも刺さらない」状態に陥ってしまうので注意したい。
(2)「働く女性」「働くママ」「アクティブシニア女性」「富裕層女性」など、流行りの女性キーワードでひとくくりにしない
同じ「働く女性」でも「ギグワーカー」「非正規雇用」「エグゼクティブ」「パート」など多様な働く女性が存在しており、それぞれが全く異なる生活行動、消費行動、価値観を持つ。ひとくくりにしてしまうと、「結局誰の心にも刺さらない」状態に陥ってしまうので要注意。富裕層女性も近年注目されているが、同じ富裕層女性でもどのタイプの富裕層女性かによって「質素型消費」を好むのか「(SNSで見せることを前提とした)ミーハー型消費」を好むのか、などが異なる。
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(3)デジタル度合を考慮する
近年登場する商品・サービスは最先端技術をふんだんに取り入れたデジタルなものが多い。しかし「デジタルを積極的に取り入れる派」「ほどほど派」「敬遠する派」のうち「ほどほど派」「敬遠する派」の方が現状は圧倒的に多い。女性は男性と比較して商品やサービスを直観的に理解したいからだ。新規開発や販売戦略設計では「デジタル度合」も考慮してセグメンテーションしたい。
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