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推し活マーケティングは購買行動促進に有用も、特有のリスクも 注意すべき2つのこと 

Category: データ分析
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“推し”を活用したマーケティングは、やはり一定の効果を見込めるようだ。推しが広告に起用された商品に対しては、好意を持ったり価格面で心理的ハードルが下がることが、リサーチ会社のビデオリサーチ(東京・千代田)による調査でわかった。とは言え同社は、「推し活マーケティングは、メリットばかりではない」と警鐘を鳴らす。推し活マーケティング特有の、2つのリスクとは?

10〜60代の1万人に調査、4割に「推しがいる」

調査は今年1〜2月に、15〜69歳の男女13,786人に実施。「推し」の有無を聞いたところ、「推しがいる」と回答した人は38.9%。前年の調査と比べ、多くの年代で上昇傾向が見られた。若年層ほど推しがいる人が多く、15~19歳は7割以上に上った。中高年層でも推しがいる人は一定数おり、50〜60代は3割だった。

【出典】ビデオリサーチ

 

推しが広告に起用された商品は購入する、4割

続いて「推しがいる」と回答した人に、推しの広告起用と商品の購入に関する質問をした。「推しが広告起用されている商品やサービスは、なるべく買うようにしている」は全体で42.1%、「推しが広告起用されているメーカーやブランドの物を選んで購入する」は45.1%で、推しが広告に起用されていると購買意欲が高まることがわかった。

ビデオリサーチ ひと研究所「推し活とマーケティング」に関する調査

【出典】ビデオリサーチ

 

推し関連の商品は高くても購入する、4割

続いて「推しがいる」と回答した人に、押し関連商品に対する価格感度や購入意向を尋ねた。「推しにまつわる商品などは、金額が多少高いと思ってもつい購入してしまう」は41.4%、「推しにまつわる商品は、金額によって購入意向が左右されることはない」は34%だった。推しが関与することで、価格面でのハードルが下がる層が一定数存在することがわかった。

ビデオリサーチ ひと研究所「推し活とマーケティング」に関する調査

【出典】ビデオリサーチ

 

推しが好きなモノ・コト・人は自分も好き、4割

推しによる好意の波及についても調べた。「推しがいる」と回答した人のうち46%が、「推しが仲良くしている人も好きになることがある」、44.8%が「推しが好きだと公言しているモノやコトや人を自分も好きになることがある」と回答。

ビデオリサーチ ひと研究所「推し活とマーケティング」に関する調査

【出典】ビデオリサーチ

 

推しを広告起用した企業や商品への好意については、「推しが広告をしている商品や企業を好きになる」は46.9%、「推しのスポンサーや広告起用してくれた企業を好きになることがある」は46.5%に上った。推しへの好意が、周囲のモノ・コト・人、そして推しを起用した企業や商品にまで波及していることが明らかになった。

【出典】ビデオリサーチ

 

推し活マーケティング、特有のリスクとは?

調査結果は、推し活マーケティングの有用性を示唆するものとなったが、調査を実施した同所の若狭谷笑未氏は、「推しを活用したマーケティングは『普段は買わない層が購入してくれる』『価格が高くても購入してくれる』など、一見メリットばかりに見えるが、注意点もある」と指摘。炎上のリスクと継続性の確保という課題に言及し、次のようにコメントしている。

炎上のリスク

企業が「推し」を広告やキャンペーン、イメージキャラクターなどに起用することで注目を集めることはできるが、推しへの扱い方を誤ると、ファンから「推しやファンを利用している」と受け取られ、逆効果になることがある。ファンにとって推しは非常に大切な存在であり、その推しを応援する行為もまた、尊いもの。だからこそ、企業側の姿勢や表現が少しでも推しやそのファンを軽んじているように見えると、ファンの企業への気持ちは怒りへと変わる。ファンの気持ちを理解することは、推し活マーケティングの土台。ファンが推しのどこに魅力を感じているのか、 推しがファンにとってどんな存在なのかを理解しないと、ファンが望まない演出や活用になってしまうリスクがある。企業はファンに対し、「推しを一緒に応援する同志である」というスタンスを示すことが求めらる。

継続性の確保

推しを活用したキャンペーンでは、購買動機が推しに強く依存するため、推しが広告やキャンペーンから離れると、ファンも一緒に離れていってしまうリスクがある。つまり、推しの力で一時的に商品が売れても、キャンペーンが終わると購買が続かないという”打ち上げ花火型”の施策になりがち。このような一過性の施策に終わらせないためには、推し以外の動機を育てることが重要。

 

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