知られていない便失禁の実態 便もれ対策は不十分
女性に多い尿失禁は中高年女性を中心に知られているが、便失禁に関する情報は少ない。ユニ・チャームの調査によると、便失禁を経験したことのある女性は年代関係なく存在し、対策としてパンティライナーやおりもの専用シート、尿吸収ナプキン、生理用ナプキンを使用している女性もいるという。便失禁の経験者からは以下のような言葉が上がっているが、相談しにくいトピックなだけに、悩んでいる女性は実際はもっと多いかもしれないし、解決を諦めている女性もいるかもしれない。便失禁対策はまだ不十分で一般的ではないようだ。
「毎日いつでてしまうか分からないので、外出時には気が気じゃない。下着についてしまうと洗ってもなかなか落ちないし大変です。(43歳、女性)」
「咳をした時や重い物を持った時など、だんだん頻度が増えてナプキンを使って対処しているが、あてる部分が大きいので、肌がかぶれてしまう。(55歳、女性)」
「満員電車など人混みの中にいると、ニオイが気になってすごく不安。(45歳、女性)」
(引用:ユニ・チャーム株式会社 )
同社の調査によると、直近6カ月間における便もれ経験があると回答した成人男女は19.6%で、便もれの頻度が週に1回以上と回答したのは20.7%だった。
便もれの対処に使用しているもの
- 特に何も使っていない(52.6%)
- ティッシュ(18.6%)
- パンティライナー・おりもの専用シート(8.4%)
- 尿吸水ライナー・尿吸水ナプキン・尿吸水パッド(7.7%)
- 生理用ナプキン(6.1%)
- 尿とりパッド(2.1%)
- パンツ型の大人用介護紙おむつ(1.8%)
- テープで留めるタイプの介護紙おむつ(1.2%)
- 尿失禁ショーツ(0.9%)
- 布おむつ(0.4%)
便もれのきっかけ
- 急な便意で、トイレまで我慢できずに(43.6%)
- ガス(おなら)をした時に(43.5%)
- いつの間にか(19.8%)
- 重いものを持ったり、咳・くしゃみをした時などに(9.3%)
- 夜寝ている時に(2.9%)
- 病気の後遺症で(2.2%)
- 出産の影響で(1.5%)
- その他(6.1%)
便失禁の原因は加齢による肛門周辺の筋力低下や神経系の障害、手術による影響、怪我などで、治療が必要な場合もあるが日々の生活習慣の改善や骨盤底筋のトレーニングによる改善も期待できる。適切な情報発信と合わせ、便失禁対策による肌かぶれや匂い対策が求められる。ユニ・チャーム(東京・港)は2017年5月より、軽い便もれに対処する専用パッドを発売している。
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