増える高齢者への虐待 虐待者は誰?

介護うつ、介護殺人、高齢者虐待など、高齢者人口の増加で深刻化する介護問題。”介護をする側” の心のケアは急務だ。

増加する虐待件数

厚生労働省が行った調査によると、養護者(※1)による高齢者虐待の相談・通報件数と虐待判断件数は年々増加している。(※1)高齢者の世話をしている家族、親族、同居人等

虐待の内容   最多は「身体的虐待」

虐待の内容について見てみると、次のような結果となった(被虐待高齢者の総数 16,770 人において、被虐待者ごとの虐待種別を複数回答形式で集計)。

女性よりも男性に多い虐待者

自宅で介護にあたるのは家族。特にその役割を担うのはパートナーや子どもだ。では、夫・妻・息子・娘、この中で特に虐待者の割合が高いのは誰なのだろうか?「被虐待者からみた虐待者の続柄」を見てみると、女性(妻・娘)よりも男性(夫・息子)に多いことがわかる。

  1. 息子(40.5%)
  2. 夫(21.5%)
  3. 娘(17.0%)
  4. 妻(5.8%)
  5. 息子の配偶者(4.0%)
  6. 孫(3.9%)
  7. 兄弟姉妹(2.2%)
  8. 娘の配偶者(1.5%)
  9. その他(3.6%)
  10. 不明(0.1%)

 

出産・子育て・家事・育児といった家族関連のタスクを若いうちから日常的にこなしている女性と比べると、男性は「家族の面倒を見る」ことに慣れていない。ゆえに、介護に時間を取られることも、どのように面倒を見れば良いのかわからず戸惑うことにも、思うようにことが運ばずにイライラすることにも慣れていない。そのような「不慣れ」が、虐待者が男性に多い要因になっているのかもしれない。家族の介護が必要になった時、特に心のケアが必要なのは男性の方かもしれない。

 

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