「フェルラ酸」が軽度認知障害を緩和 気分・行動にも良い影響
ファンケル(神奈川・横浜)は、フェルラ酸とαGPC、イチョウ葉エキス、ビタミンCを含む食品(以下「フェルラ酸を含む食品」と表記)を継続して摂取することが、軽度認知障害を有する高齢者に対して、認知機能の緩和と日常の心理・行動に良い影響を与えることを臨床試験で確認したことを9月6日(木)に発表した。
認知症専門医が軽度認知障害であると判定した65歳以上の68人(男性:25人、女性:43人)を無作為に選び2群に分けた。フェルラ酸を含む食品群、またはフェルラ酸などの成分を含まない食品(以下「プラセボ群」と表記)のいずれかを、各群に6カ月間摂取してもらった。
その結果、プラセボ群は摂取前に比較して認知機能の低下指標がマイナス0.62点と摂取前より低下したのに対し、フェルラ酸を含む食品群は0.57点上昇したのを確認できた(図1)。特に、65歳以上75歳未満の前期高齢者を対象にした検査では、プラセボ群が摂取前よりマイナス0.33点低下したのに対し、フェルラ酸を含む食品群は1.20点上昇し、両群間で明確な差を確認した(図2)。これにより、フェルラ酸を含む食品を摂取すると認知機能の低下が緩和できることが分かった。
また試験実施前後で、日常の気分や行動の変化をアンケートで調査した結果、フェルラ酸を含む食品群で「自信がもどってきた」などの回答比率が高く、良好な結果が得られたという(図3~図6)。
以上の試験結果から、フェルラ酸を含む食品を継続的に摂取することで、高齢者の認知機能の低下を緩和し、それに伴う日常生活の質の低下に良い影響を与えることが明らかになった。
同社は認知症のケアを目的とした研究を8年前から行っている。その中でフェルラ酸が、認知症の発症原因の1つである「リン酸化タウタンパク質」の蓄積を低下させる作用があることを既に発見している。
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