トイレの「足置き台」が便秘解消に有効か

便秘を解消するには、洋式トイレに小さい足置き台を用意するとよいようだ。米オハイオ州立大学のPeter Stanich氏らが実施した研究から、トイレで足置き台を使用したところ、参加者の多くが力まずに排便できるようになったことが明らかになった。研究の詳細は「Journal of Clinical Gastroenterology」2018年10月22日オンライン版に掲載された。

Stanich氏によると、トイレ用の足置き台は、インターネットの動画やソーシャルメディアを通じて広がり、商品化もされている。しかし、「実際に便秘に有効かどうかを明らかにした医学的根拠はなかった」という。

そこで、Stanich氏らは今回、平均年齢29歳の健康な成人52人(女性が40.1%)を対象に、足置き台の排便への影響を調べる研究を実施した。参加者の健康に問題はなかったが、44.2%が排便時に強く力む必要があると訴えており、3人に1人には残便感があると報告していた。

研究では、参加者にはまず、最初の2週間は足置き台を使用せずに過ごしてもらい、その後2週間は足置き台を使用し続けてもらった。その結果、足置き台を使用すると、参加者の71%は排便時間が短くなり、90%は以前よりも力まずに排便できるようになったと回答したことが分かった。

Stanich氏は「今回の研究では、足置き台を使用するだけで便秘や腹部膨満感、残便感などが改善することが明らかになった」と述べている。足置き台が有効な理由としては、「普通に便座に座った姿勢では直腸が曲がって便の通り道が狭くなってしまうが、排便時に台に足を置くと前傾姿勢となり、直腸が直線になって排便しやすくなる」と説明している。同氏によれば、「しゃがむ姿勢になる」のが理想だという。

また、同氏は「研究が終了した時点で、参加者の3分の2が『今後も足置き台を使い続けたい』と話していた点も重視すべきだ」と付け加えている。

排便困難になると腹部膨満感や便秘、痔などの原因となり、骨盤底の損傷やヘルニアなどの深刻な健康問題にもつながりかねない。米国では成人の6人に1人が便秘を経験しているという報告もある。これらを踏まえ、Stanich氏は「胃腸の違和感や便秘、下痢などの症状がある人は、必ず医師に相談してほしい。そうすれば、これらの症状を解消できるだけでなく、深刻な状態になるのを避けられる」と助言している。

骨盤底障害の治療を専門とする米オハイオ州立ウェックスナー医療センターのRachel Shepherd氏は「排便は話題にしにくく、便秘であることを話したがる人は少ない。しかし、足置き台を使って姿勢を変えるという簡単な方法なら、誰もが取り入れることができるだろう」と話している。(HealthDay News 2019年1月10日)Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.

 

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