疾患別・男女別の発症リスクを高める飲酒量を掲載、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」 厚労省
飲酒に伴う健康障害を防止するため厚労省は19日、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表した。適切な飲酒量の判断に役立てられるようまとめたもので、年齢・性別による体への影響の違いや、飲酒量による発症リスクを疾患別に示した。
年齢の違いによる影響の違い
高齢者は体内の水分量の減少などで若い時と比べ酔いやすく、飲酒量が一定量を超えると認知症の発症の可能性が高まるほか、飲酒による転倒・骨折、サルコペニアなどの危険性が高まる。脳の発達途中にある10〜20代についても多量飲酒によって脳の機能が落ちるというデータもあり、高血圧などの健康リスクも高まる。
性別による影響の違い
女性は男性と比べ体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量も少ない。加えて女性ホルモンの働きからアルコールの影響を受けやすいことから、男性に比べて少量かつ短期間でアルコール関連肝硬変になる場合がある。
疾患別の発症リスクと飲酒量
疾病別の発症リスクと飲酒量の関係について性別にまとめたのが以下表。乳がんは、14g/日以上で発症リスクが高まる。脳梗塞は、女性は11g/日以上、男性は40g/日以上で発症リスクが高まる。
ガイドラインでは、純アルコール量の計算方法(純アルコール量(g)=摂取量(ml)×アルコール濃度×0.8)や、健康に配慮した飲酒の方法なども示した。2024年度に始まる健康日本 21(第三次)では、「生活習慣病のリスクを高める量(1日当たりの純アルコール摂取量が男性 40g以上、女性 20g以 上)を飲酒している者の減少」を目標としている。
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