サルコペニア・フレイル領域のデジタルヘルス、ガイドライン公開 AMED

AMEDは今月5日、「サルコペニア・フレイルの予防・改善に関するデジタルヘルスのガイドライン」を公開した。サルコペニアとフレイルの予防を目的としたヘルスケアサービスの提供に関する指針をまとめたもので、デジタルヘルスに関わる企業人、医療・介護従事者、地域の保健医療スタッフ、デジタルデバイスの利用者に向けて作成した。

11のヘルスケアクエスチョン

ガイドラインでは、サルコペニアとフレイルの予防・改善を目的とした「デジタルヘルスサービス」と、運動や食などの「非薬物治療」におけるエビデンスを、システマティックレビューを実施して整理。併せて、サービス利用を生活者に推奨できるレベルを示した。

例えば、「デジタルヘルスサービスを用いた介入・評価は高齢者のフレイルを予防するか?」というヘルスケアクエスチョンにおいては、システマティックレビューを実施したところ、デジタルヘルスサービスによる介入・評価が高齢者のフレイルを予防するか否かを評価した介入試験が乏しくエビデンスが不十分であったことから、「エビデンスの確実性は非常に弱い」とし、サービスの利用推奨度は「弱い」と結論づけている。

一方で、「運動は高齢者のフレイルの発生・進展を予防するか?」については、「エビデンスの確実性は強い」とし、運動の実施を強く推奨している。以下は全ヘルスケアクエスチョン11項目と、その結論。

【出典】AMED「サルコペニア・フレイルの予防・改善に関するデジタルヘルスのガイドライン」

 

指針作成の背景

同指針は、エビデンスに基づいたヘルスケアサービスの社会実装促進に向け、AMEDが令和4年から始めている「予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業」によるもので、作成したのは、国立長寿医療研究センター理事長の荒井秀典氏をはじめとする研究班。

近年のサルコペニア・フレイル研究の発展は目覚ましく、民間企業を中心にスマホアプリやウェアラブルデバイスを使用したデジタルヘルスサービスの介入も広がっている。だが、デジタルヘルスサービスの標準化は不十分でエビデンスの構築は進んでおらず、社会実装につながっていないことから、エビデンスを提示し、サービス利用者が適切にデジタルヘルスサービスを選択できるよう、指針の作成に至った。

現段階では、デジタルデバイスを用いたサルコペニア・フレイルの予防・介入に関して強く推奨できるエビデンスは得られなかったとしているが、今後の発展の可能性は高いことから、さらなるエビデンスの蓄積の必要性を指摘している。ガイドラインは5年ごとの改訂を予定。

 

人気商品の分析で明らかに、「女性の健康消費を促す基準」は?

女性たちに人気のヘルスケア商品には、どんな共通項があるのか?ヒット商品を中心に、人気を集める話題のヘルスケア商品のユーザー評価を徹底調査・分析し、各商品の人気を支える「高評価要素」と、「共通項」をリサーチ。共通項からは、女性の健康消費をおこす「マーケティングの新基準」も見えてきましたマーケティング戦略立案のヒント満載ですレポート詳細・お申し込みはこちら

 

 

 

【編集部おすすめ記事】
フレイル予防のために何をしている?性別・年代で行動者率と認知率に差
ステルス家電「スマートバスマット」成功と進化フレイル防止機能を追加
「働く女性の健康指針」職場でのデジタルヘルスサービス導入・開発指針に
女性の健康意識・健康行動・ヘルスリテラシーがわかる記事、33選
女性に人気の健康グッズの共通項  「健康消費を起こす新基準」

PAGE TOP
×