女性は健康・家庭問題が上位に、3月の自殺対策強化月間 各地で相談体制拡充
3月は進学や就職、異動などで生活環境が変わり、不安やストレスを抱えやすい。厚生労働省は、毎年3月を「自殺対策強化月間」と位置づけ、2025年度も自殺防止に向けた電話やSNSによる相談体制の拡充、啓発活動を集中的に進めている。
警察庁の統計に基づく2025年の自殺者数(暫定値)は1万9097人で、前年(24年確定値)から1223人減少した。1978年の統計開始以来、初めて2万人を下回り、過去最少となる見通し。
女性は5980人で前年比539人減った。原因・動機(1人につき最大4つまで計上)は「健康問題」が4604件で最多となり、「家庭問題」(1562件)が続いた。健康問題のうち、うつ病は1890件に上り、自殺者数が女性の倍以上ある男性のうつ病(2048件)に迫る水準で、女性の自殺と精神疾患の結びつきの強さがうかがえる。経済・生活問題(669件)や勤務問題(406件)も一定数あった。男性は1万3117人(同684人減)。女性と同様に健康問題(6689件)が最多だが、経済・生活問題(4690件)や勤務問題(1991件)の比重が相対的に大きい。
深刻なのが小中高生。自殺者数は532人と24年から3人増え、統計が残る1980年以降の過去最多を2年連続で更新する見通し。女子は277人(同13人減)で3年ぶりに減少へ転じたものの、直近では減少傾向にあった男子は255人(同16人増)と再び増加しており、若年層全体のケアが急務となっている。
強化月間中、全国の自治体でも、相談窓口の周知やメンタルヘルスに関するパネル展示、身近な人の変化に気づく「ゲートキーパー」の養成研修などを展開する。専門職による無料相談会を開く自治体も多い。
女性特有の悩みに寄り添った取り組みもある。三重県伊勢市は、「女性の健康づくり講座」と題してヨガ教室とメンタルパートナーの養成講座を、兵庫県西宮市はストレスや心身の不調に対するセルフケアをテーマに「女性の健康のための講演会」をそれぞれ開く。東京都町田市は、総合相談会に女性の悩みに対応する専門の相談員を配置する。
厚労省は「一人で抱え込まず、まずは身近な窓口やSNS相談などを頼ってほしい」と呼びかける。電話相談はこころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)、SNS相談などは「まもろうよ こころ」から利用できる。
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