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生活動線に社会参加を仕掛けて要介護リスクを低下、資源回収×交流×野菜販売など 千葉大学

千葉大学の阿部紀之特任研究員らの研究グループは、ごみ出しを活用したコミュニティ拠点の利用が要介護・要支援のリスクを低減することを明らかにした。研究成果は2025年、国際学術誌『PLOS ONE』に掲載された。

高齢化率が高い日本において、要介護状態の予防は重要課題。これまで各地の地域サロンなどで介護予防の取り組みが進められていたが、参加者が女性や健康への関心が高い高齢者に偏るなどの課題が指摘されていた。

そこで研究グループは、誰もが行う日常行動である「ごみ出し」に着目。資源ごみ回収拠点に交流や野菜販売、ボランティア活動などを組み合わせることで、高齢者が自然に社会参加できる仕組みを提供するコミュニティ拠点が介護予防に有効かどうかを検証した。

研究は、奈良県生駒市と、福岡県大刀洗町に住む65歳以上の高齢者973人を対象に実施。コミュニティ拠点の導入前と導入1年後の計2回、「要支援・要介護リスク評価尺度」を用いて、将来の要介護認定の可能性を評価した。この尺度は、性別や年齢、生活状況に関する12項目で構成され、点数が高いほど、3年以内に要支援・要介護認定を受けるリスクが高い 。分析にあたっては、コミュニティ拠点の利用の有無によるその後の外出機会や交流などの変化も比較した。

互助共助コミュニティ型資源回収ステーションの利用で 高齢者の要介護リスクが約15%低下

【出典】千葉大学  コミュニティ拠点の様子

 

その結果、約2割の高齢者がコミュニティ拠点を利用しており、利用者の1年後の要介護リスク点数は非利用者より平均1.2ポイント低く、将来の要介護認定リスクが約15%低下する可能性を示唆した。さらに、利用者は外出や交流、地域活動への参加がいずれも増加。資源回収という日常行動の動線上にコミュニティ拠点を設けることで社会参加が促され、介護予防につながる可能性が明らかになった。

研究グループは、「資源回収を通した社会参加の場が、高齢者の外出や交流を促し介護予防につながる可能性を示した」とコメント。「今後は、長期追跡により実際の要介護認定や医療費抑制への影響を検証するとともに、異文化地域でも応用可能かどうか、国際的な展開も期待したい」としている。

 

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