生理管理アプリ14種を評価、健康情報の信頼性や包括性に課題
ヘルスケアサービスの普及が進む中、その有効性や情報の信頼性への関心が高まっている。先日紹介したAMED研究班の指針では、月経困難症やPMSに対するデジタルヘルスのエビデンスレベルがB−と評価され、アプリによるセルフケアに一定の根拠が示された。一方で、アプリの機能性や提供情報の信頼性については、十分な検証が進んでいるとは言い難い。生理管理アプリ14種を評価した研究では、機能面は比較的充実している一方、アプリが提供する健康情報の科学的根拠の提示や多様なユーザーへの配慮には課題があることが示されている。生理管理アプリの“質”向上や、より信頼性の高いサービス設計を考える上で、参考になる研究だ。
生理管理アプリ14種を評価、課題を明らかに
米インディアナ大学のEmma Bucher氏らの研究グループは、生理管理アプリの機能性や包括性、健康教育情報の質を評価した結果、健康情報の信頼性やユーザーへの配慮に課題があることを示した。研究成果は、国際学術誌『BMC Women’s Health』に2025年5月に掲載された。
機能性・包括性・健康情報を検証
生理管理アプリの利用が広がる一方で、アプリの機能や包括性、健康教育情報の質を総合的に検証した研究はほとんどなかった。そこで研究グループは、アプリストアで見つかった60種の生理管理アプリを調査し、条件を満たした14種のアプリについて、機能性(周期予測や症状記録、プライバシー保護など)、包括性(さまざまな生理周期やジェンダーへの配慮、避妊方法への対応など)、健康教育情報(医学的根拠など)の3つの観点から評価した。
包括性や健康情報の質にばらつき
その結果、機能性の面では、約7割のアプリではオフラインでも生理症状を記録できた。また、全てのアプリに生理周期の予測機能と症状記録機能が備わっており、記録できる症状は、乳房の腫れや食欲の変化、生理の重さ、下痢、疲労など平均17.5種類だった。一方で、症状評価について、研究で妥当性が検証された測定尺度を採用しているアプリはなかった。
包括性の面では、全てのアプリが一般的な28日周期以外の生理周期にも対応していた。また、約86%のアプリに排卵日予測機能が備わっていた。ジェンダーへの配慮では、約半数のアプリが性別を限定しない表現を採用していた。さらに、避妊を行うユーザーへの配慮として、約9割のアプリで少なくとも1種類の避妊方法を記録できた。
健康教育情報の面では、医学論文などの科学的根拠を示していたアプリは14アプリ中6アプリ(42.9%)にとどまり、半数以上のアプリでは健康情報の根拠となる文献が明示されていなかった。
包括性とユーザー視点の強化を
研究グループは、「生理管理アプリの機能や健康情報の質、多様なジェンダーへの配慮には課題が残されており、医療従事者は各アプリの特徴や情報の信頼性を理解した上でユーザーに推奨する必要がある」と指摘。今後については、「多様なユーザーの視点を踏まえた研究や、より包括的でユーザー中心のアプリ開発が求められる」としている。
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