【Weekly News】EU「性別特有の疾患」への対応強化、女性の健康戦略/WHO、熱中症対策で新指針/医療・介護テックに7割肯定

女性ヘルスケア市場を日々ウォッチしている編集部が、今押さえておきたいニュースを厳選して紹介する週間ハイライト「Weekly News」。今週からの仕事に役立つ政策動向や業界の動きなどを、まとめてチェック!Weekly Newsは、週1回配信のニュースレターから受け取れます。

Weekly News 7選

EU、「性別特有の疾患」への対応強化へ 全健康政策に性差の視点、女性の健康戦略策定を要請

欧州議会は9月16日、健康における男女格差、特に性別特有の疾患に関する決議を賛成300、反対218、棄権29で採択した。欧州委員会に対し、EUレベルで加盟国横断的に実施する”女性の健康に特化した戦略”の策定を要請。女性の健康課題に関する公的研究の強化や医療アクセスの格差是正を図るとともに、EUのすべての健康関連法制・施策に、「身体・生物学的な性差」と、「性別によって生じる働き方や所得、家族内での役割など社会的な違い」の双方の視点を組み込むよう求めた。加盟国に対しても、地域による医療アクセス格差の是正や、医学・看護・産科教育へのジェンダーに配慮した医療教育の導入などを要請。EUが資金提供する研究では、性別・ジェンダー別データの収集・報告を促進するほか、デジタルヘルス技術についても性別特有の医療ニーズを考慮した開発・導入を求めている。

決議では、性・生殖に関する健康課題にとどまらない男女の健康格差も指摘。女性は糖尿病などの代謝疾患の診断が男性より平均で最大4.5年遅く、心血管疾患による死亡リスクは約30%高い。がんについても女性は男性より診断が2.5年遅いとして、性別による疾患の発症などの違いについて、さらなる研究を求めた。

欧州議会の女性の権利・男女平等委員会(FEMM)は6月、女性の健康に特化した戦略の策定などを盛り込んだ報告書案を採択していた。今回、本会議で決議が採択されたことで、欧州議会としてEU全体の女性の健康格差是正に向け、欧州委員会や加盟国に具体的な対応を求める方針が示された。

 

WHO、大規模イベントの熱中症対策で新指針 「個人の行動だけに頼らない」対策求める

WHO(世界保健機関)は9月30日、スポーツや宗教、文化イベントなど大規模な集会での熱中症を予防・管理するための新たなガイダンスを公表した。1980~2025年に発表された研究をレビューした結果、大規模集会での約50万件の医療対応のうち、熱関連疾患は2万2千件以上確認された。一方、会場内の医療体制が適切に整備されていれば、患者の90%以上を会場で治療できることも示された。WHOは、熱中症対策を個人の行動だけに頼らず、主催者側の運営・リスク管理上の課題として捉えるよう提言。安全な飲料水やトイレの確保、冷却設備、開催時間の調整、混雑管理、スタッフの保護、リアルタイム監視、会場内の医療体制などを組み合わせた対策を求めている。

大規模な集会では、長時間の屋外での暑熱・日光への曝露や密集した人混み、安全な飲料水へのアクセス制限、現地の気候への不慣れなどが重なり、熱中症リスクが高まる。1990年代以降、世界の熱関連死は推定63%増加し、2012~21年には年間平均54万6000人が死亡している。

 

東京都、女性のがん検診受診で2000円相当を提供 子宮頸がん・乳がん対象

東京都は10月1日、子宮頸がん・乳がん検診の受診を促進する「女性のがん検診受診応援事業-TOKYO Women’s Health-」の申請受付を開始した。対象となる検診を受診した都民に、健康関連グッズ(2000円相当)または東京ポイント(2000ポイント)を提供する。対象は、今年4月1日以降に子宮頸がん検診を受診した20歳以上の女性と、乳がん検診を受診した40歳以上の女性。自治体による住民検診や企業・健康保険組合による職域検診のほか、人間ドックなど個人で受診した場合も対象となる。申請期間は2027年2月28日まで。東京都は、がんの早期発見・早期治療につなげるとともに、自身の健康について改めて考えるきっかけにしたいとしている。

「女性のがん検診受診応援事業-TOKYO Women’s Health-」

【出典】東京都

 

医療・介護へのテクノロジー導入、7割以上が肯定的 期待トップは「従事者の負担軽減」

厚生労働省は9月29日、医療・介護・福祉の仕事や現場へのテクノロジー導入に対する国民意識を調べた「少子高齢社会等調査検討事業」の結果を公表した。

20〜74歳の男女3000人を対象に調査。医療現場へのICTやAI、ロボット技術の導入について、「電子カルテやオンライン診療などのICT」を82.6%、「医師の診断を支援するAI」を72.4%、「手術支援ロボット」を74.3%が肯定的に捉えた。全体的に高齢層ほど技術の導入に肯定的な傾向が見られた。一方、技術導入に否定的な人にその理由を尋ねたところ、「AIやロボット技術の安全性に不安」が26.3%で最多だった。次いで「医師等とのコミュニケーションが不足しそうだから」が19.2%で、否定的な人の中では、高齢層ほどコミュニケーション不足を不安視する傾向が見られた。

 

【出典】厚生労働省

 

介護現場では、センサーなどによる見守り支援への先進機器導入を82.2%、移乗を支援する介護ロボットなどの導入を81.9%が肯定的に捉えた。テクノロジー導入による期待は、医療・介護ともに「従事者の負担軽減」が最も大きかった。

 

飲食料品値上げ、10月3153品目 ラッシュはピーク越えも2027年まで継続へ

相次ぐ飲食料品の値上げで、生活者の消費マインドには引き続き下押し圧力がかかりそうだ。帝国データバンクは先月30日、食品主要195社を対象とした「価格改定動向調査」の結果を公表した。10月に値上げされる飲食料品は3153品目で、2カ月連続で3000品目を超えるのは23年6~7月以来、3年3カ月ぶり。平均値上げ率は10%だった。分野別では「酒類・飲料」が1399品目で最多、「調味料」が820品目で続いた。26年の値上げは、年内に判明した分で2万187品目となり、2年連続で年間2万品目を突破。値上げ要因は「原材料高」が91.3%で最も多く、「エネルギー」63.8%、「中東情勢」27.8%などが続いた。11月は1469品目と大幅に減少する見通しで、同社は年内の値上げラッシュは10月をピークに一旦収束するとみている。ただ、原材料費や人件費、物流費などのコスト上昇は続いており、27年にかけても断続的な値上げが続くと予想している。

 

拡大続くアウトバスヘアケア市場、844億円へ ヘアオイルは「機能+情緒的価値」の競争に

富士経済が、アウトバスヘアケア用品の市場調査の結果を発表した。ヘアオイル、ヘアミルク、ヘアミストの3剤型を対象とした市場は、ヘアケア意識の高まりを背景に2020年以降拡大を続け、26年は前年比9.5%増の844億円を見込む。24年、25年はSNSでのユーザー発信による認知拡大などを背景に、2年連続で二桁成長した。剤型別ではヘアオイルが最大市場で、ヘアミルクもダメージケアや補修・保湿への関心、高機能・高単価商品の需要を背景に伸長。販売チャネルではドラッグストアが主要チャネルとなっているほか、ECも二桁増が続く。ヘアオイルはべたつかない軽めのテクスチャーの商品が需要を集めており、1000円以上のアイテムも多数展開されている。市場は拡大しているものの機能面だけでの差別化は難しくなっており、今後は容器や本格的な香りなど、情緒的価値による差別化が進むとみられる。

【出典】富士経済

 

スポーツ庁、企業・大学の健康増進を後押し パラスポーツ含む2つの認定制度で募集

スポーツ庁は、運動・スポーツを通じた健康増進やパラスポーツの普及を後押しする2つの認定制度で、2027年の認定団体の募集を開始した。「スポーツエールカンパニー」は、従業員や大学生等の健康増進に向け、スポーツ活動の支援・促進に積極的に取り組む企業や大学、自治体などを認定する制度。大学期に運動習慣を失った若者は、その後も運動しない傾向にあることから大学生等も対象に加え、大学でのヨガやピラティスなども取組例に含めている。企業では、体操・ストレッチの時間設定や徒歩・自転車通勤の推奨などが取組例。週1回以上のスポーツ実施率が70%以上の団体には「+(プラス)」の呼称を付与する。「パラスポーツ部門」では、パラスポーツ関連団体と連携した優良事例を持つ企業や自治体などを認定する。いずれも申請は11月2日まで。

スポーツ庁認定「スポーツエールカンパニーパラスポーツ部門2027」

【出典】スポーツ庁

 

 

女性ヘルスケア白書2026 市場動向予測レポート

2026年度の女性ヘルスケア市場を予測する「女性ヘルスケア白書2026年度版  市場動向予測 ~健康トレンド・業界動向・女性ニーズ~」を発行しました。これまでにBtoC企業、BtoB企業、自治体、医療機関、マスメディア、教育機関など、さまざまな業種の方に広くご活用いただいている、恒例の人気レポートです。新規事業の企画・開発、マーケティング設計、販売戦略における意思決定にご活用ください女性ヘルスケア白書2026 市場動向予測レポート(PC)

 

【直近1ヶ月のWeekly News】
■100歳以上が初の10万人、女性9割/WHO、避妊の選択肢拡大へ新ガイドラインほか(9/28)
■中小企業の健康経営、支援者向けハンドブック策定/夫婦の予定子ども数2人割れ(9/14)
■7省庁の概算要求から見る、2027年度のヘルスケア重点施策(9/7)
■緊急避妊薬、試験販売1.2万件の9割「販売可」最終結果/DTx2032年に24製品上市へ(8/24)
■プレコン推進に向けた工程表、企業の取組率8割/世界がん患者2050年に3500万人(8/17)

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