標準BMI付近で月経周期が安定、約19万周期を解析 国立成育医療研究センター

BMIと月経周期にはどのような関係があるのか。女性の健康総合センターなどの研究グループが、月経管理アプリ「ルナルナ」の大規模データを用いて両者の関連を分析した。女性の健康状態を捉える指標の一つとして月経周期を新たにどう活用できるか、ヘルスケアサービスの設計や健康支援を考える上でも参考になる研究だ。

BMIと月経周期の長さ・ばらつきを分析

国立成育医療研究センター女性の健康総合センターの森崎菜穂氏らの研究グループは、月経管理アプリ「ルナルナ」の利用者のデータを用い、平均月経周期日数と個人内変動(同じ人の中での月経周期のばらつき)は、いずれも標準BMI付近で最も安定することを明らかにした。また、BMIが標準域から過体重・肥満へ変化した人では、月経不順が増える傾向も確認した。研究成果は、国際学術誌『npj Women’s Health』(2025年)と『BMC Women’s Health』(2026年)にそれぞれ掲載された。

ルナルナの月経ログ 約19万周期を解析

月経周期は、女性の健康状態を捉える指標の一つとされ、BMIが排卵や月経に影響することも知られている。一方、BMIと月経周期の長さやばらつきとの関係、さらにBMIの変化と月経不順との関係については、十分なデータがなかった。

そこで研究グループは、月経管理アプリ「ルナルナ」の大規模データを用いて、体格指数(BMI)と月経周期の規則性との関連を、「現在のBMI」と「同一個人内でのBMIの変化」の観点から検討した。対象としたのは、月経管理アプリ「ルナルナ」に記録された月経ログとアプリ内質問票データ。これらのデータを用いて、BMIと月経周期の関係を2つの研究で分析した。研究1では現在のBMIと月経周期の長さやばらつき、月経異常との関係を分析。研究2ではBMIで分類した体格の長期的・短期的な変化と月経不順との関係を調査した。

標準BMI付近で月経周期が安定

研究1では、約8700人・約19万周期のデータを解析。BMIを「やせ(15~18.4)」「標準(18.5~22.9)」「過体重(23~24.9)」「肥満(25~35)」に分け、BMIカテゴリーの違いによって月経周期の長さやばらつき、月経異常にどのような違いがあるかを調べた。その結果、平均月経周期は標準BMI付近で最も短く、BMIが標準域から離れるほど長くなる傾向がみられた。また、月経周期のばらつきも標準BMI付近で最も小さく、BMIが標準域から離れるほど大きくなる傾向が確認された。

標準BMIを保つことは月経周期の安定につながる ~月経管理アプリ『ルナルナ』大規模データで明らかに~

【出典】国立成育医療研究センター

 

さらに、標準BMIを基準に比較すると、無月経はやせ・肥満で、稀発月経は過体重・肥満で増える傾向がみられた。また、排卵の有無を確認できる二相性周期(※)の割合も、標準BMIで高く、低BMI・高BMIで低下する傾向が示された。(※)二相性周期:基礎体温が低温期と高温期の2段階に分かれる周期

 

BMIカテゴリーの変化は月経不順にも関連する可能性

研究2では、約5400人・約13万周期を対象に、BMIカテゴリーの長期的・短期的な移行と月経不順との関係を分析した。18歳時から調査時までの長期的な変化では、標準BMIから過体重・肥満へ移行した人で月経不順が増える傾向がみられた。一方、過体重・肥満から標準BMIへ移行した人では、月経不順が減る傾向が確認された。

標準BMIを保つことは月経周期の安定につながる ~月経管理アプリ『ルナルナ』大規模データで明らかに~

【出典】国立成育医療研究センター

 

また、調査期間中の短期的なBMIカテゴリーの変化でも、標準BMIから過体重・肥満へ移行した人では、新たに月経不順が生じる傾向がみられた。

 

標準BMIを保つことが月経周期の規則性に関連

これらの結果から、研究グループは、平均月経周期と個人内変動は標準BMI付近で最も安定する一方で、BMIが標準域より低い場合も高い場合も不安定になりやすい傾向を明らかにした。さらに、標準BMI付近を保つことや、過体重・肥満から標準BMIへ移行することは、月経周期の規則性と関連する可能性を示した。一方、今回の研究はBMIと月経周期・月経不順との関連を調べたものであり、両者の因果関係を示したものではない。

 

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