産後の湯船入浴、子宮内膜炎など感染確認されず 1ヵ月以内の安全性を示唆 成育医療研究センター
国立成育医療研究センターの小川浩平氏らの研究グループは、経腟分娩後の入浴に関する安全性に問題がない可能性を示した。研究成果は2026年、国際学術誌『International Journal of Gynecology and Obstetrics』に掲載された。
日本では経腟分娩後の女性に対し、感染予防の目的で「産後1ヵ月健診までは湯船につからないように」と指導することが多い。しかし、湯船入浴が感染リスクを高めるという明確な医学的根拠はなく、慣習的な指導である可能性が指摘されていた。一方、海外では会陰部の痛み軽減を目的とした、下半身を湯や水につける「座浴」が近年注目されており、入浴による血流改善やリラックス効果も期待されている。
そこで研究グループは、成育医療研究センターと国際医療センターで経腟分娩をした女性577人を対象に調査。退院後から湯船入浴を許可するグループ(324人)と、産後1ヵ月健診まで禁止するグループ(253人)に分け、感染症の発生や精神状態、痛みなどを比較した。
その結果、両グループとも産後1ヵ月健診までに子宮内膜炎や会陰創部感染は確認されなかった。また、入浴許可グループでは入浴満足度が有意に高かったほか、産後うつのリスク指標や会陰部痛・骨盤痛の割合も低い傾向が見られた。
産後の女性は身体的・精神的・社会的な変化に急激にさらされ、大きなストレスを抱えやすいことから、研究グループは「日本の生活習慣である湯船入浴を退院直後から可能にすることでストレス軽減やQOL向上につながる可能性がある」とコメント。一方、「今後は全国規模の多施設研究を行い、産後早期の湯船入浴の再現性や妥当性を検証する必要がある」としている。
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