「高濃度乳房」 認知度高まる
女性のがん罹患数1位の乳がん早期発見に大きく寄与するのがマンモグラフィーと言われているが、マンモグラフィーだけでは異常を見つけづらいケースもある。理由は、乳腺の密度が高い「高濃度乳房」が日本人女性に多いためだ。
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4割の女性が高濃度乳房
日本乳癌検診学会によると、およそ4割が「高濃度乳房」とのこと。高濃度乳房の場合、がんを見つけづらく、定期的なマンモグラフィー検査で異常なしの結果が出ていたにも関わらず、気づかないうちに乳がんが進行してしまうという事態になりかねない。しかし、現状では受診者が高濃度乳房のタイプであっても本人に通知されることはほとんどない。
マンモグラフィーで、がんが見つからなかった風間さん。「なんで(高濃度乳房だと)知らせてくれないんだろうと。高濃度乳房でマンモグラフィーで写りにくいタイプだと、ひと言入れてくれれば、ほかの方法を探しに行く。」(NHK NEWS WATCH9)
こちらの女性は、毎年マンモグラフィーを受け異常なしという結果だったにも関わらず、精密検査でがんが見つかり手術を受けたという。
そのような患者の声を受け、厚生労働省は乳がん検診で「高濃度乳房」と判定された場合は受診者に通知する体制を整備する方針を決定。日本乳癌検診学会は今年3月に「対応型乳がん検診における高濃度乳房問題の対応に関する提言」を同学会HPに公開している。
関心キーワードとして認知度上がる
大人女性のライフスタイル誌「毎日が発見」12月号(p.83)でもNEWSな健康キーワードとして高濃度乳房を取り上げている。厚生労働省が今年3月と6月に、がん検診のあり方に関する検討会で高濃度乳房を取り上げたことで、各メディアが情報発信し、生活者もまたTwitterやブログで情報を拡散した。新たな関心キーワードとして徐々に認知度が高まりそうだ。
高濃度乳房は病気ではないが、高濃度乳房ではない女性と比較すると乳がんのリスクがわずかに高まるという。女性読者の皆さん、受診の際には高濃度乳房のタイプかどうか?を確認するようにしよう。
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