広がる男性の妊活意識 各社・各メディアの動き
ここ10年ほどで急速に認知が広がり女性の間で定着した「妊活」。その「妊活」が幅を広げ、最近は「男性の妊活」に焦点をあてた情報や商品が登場している。
妊活の現状 意識高い女性と意識低い男性
妊娠するための活動や妊娠しやすい体づくりをすることが「妊活」。すぐに妊娠したいのに、体質や年齢が理由で妊娠しづらい女性が妊活に取り組むこともあれば、「(今すぐ欲しいと思っているわけではないが)子どもが欲しい」と思った時にすぐに妊娠できるよう、将来に備えて冷え対策や基礎体温の管理をするなどの体ケアで妊活に取り組む女性もいる。
夫の意識に不満を持つ妻たち
女性誌などのメディアで積極的に妊活を取り上げていることもあり、最近の女性は若いうちから妊活に聞き馴染みがあるが、男性はというと、女性ほどの意識はない。「妊娠をするのは女性」という体のメカニズム上、なかなか妊娠できない場合は「女性に原因がある」と見る男性は多く、男性側の妊活の必要性を理解している男性は少ない。
実際に、質問サイトや個人ブログなどでは「もっと夫に協力してほしいのに、妊活の意識が低い」「不妊の原因を調べたいのに夫が不妊症検査に行ってくれない」と不満をこぼす女性の声が目立つ。
不妊症の原因 24%が男性側に
WHO(世界保健機関)によると、不妊症の原因は41%が女性側に、24%が男性側に、24%が男女両方にあり、男性側に原因があることは決して「稀」ではない。妊活に取り組む女性たちが男性側にも「妊活の意識」を持ってほしい、と願っているのは、そのような実態を理解しているからだ。
企業による情報発信活発に「男性の妊活」
男性側の妊活意識は女性と比べると低いが、「男性側の妊活」を男性に理解してもらおうと積極的に情報発信をするメディアや企業が増えている。
クローズアップ現代+(NHK)では、「精子“老化”の新事実 男にもタイムリミットが!?」が2月6日(火)に放送された。
妊娠・出産・育児の情報サイトたまひよ(ベネッセ)は、男性の体の変化や不妊原因の男女比についてまとめた記事「男の妊活の話をしよう」を掲載。
武田コンシューマーヘルスケアは、サイト内「妊活を知ろう」のコーナーで「いっしょに学ぼう!男の妊活」と題し、妊活は男女2人で力を合わせる必要があることや、夫婦2人の妊活レシピなどを紹介している。
ソーシャルニュースサイトのハフィントンポストでは、男性向けの妊活キット・アプリの紹介と合わせ、男性側の妊活の重要性を述べている(「不妊の原因、約半分は男性です。妊活を始める前に知っておきたいこと」)。
アンファーは、男性用妊活サプリメント「Dou コウノトリ for パパ」を販売。
今はまだ「男が妊活をしているなんて恥ずかしくて言えない」という男性が多いかもしれないが、男性の妊活もこれからは徐々にオープンになり、女性とともに妊活に積極的に取り組む人は増えていくのではないだろうか。
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