【話題のキーワード】広がるプレコンセプションケア
「プレコンセプションケア」はアメリカから始まった考え方で、今日本でも広がりを見せている新しいキーワードだ。
プレコンセプションケアとは
妊娠を意味するコンセプション(conception)と組み合わせた「プレコンセプションケア」とは、将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことを言う。2006年からアメリカを中心に始まり、WHO(世界保健機関)やCDC(米国疾病管理予防センター)などを中心に啓発活動が行われている。日本では2015年11月に国立成育医療研究センターが、女性やカップルを支援する新部門「プレコンセプションケアセンター」を開設したことで、 国内でも「プレコンセプションケア」が徐々に浸透し始めている。プレコンセプションケアが目指しているのは次の3つ。
- 女性やカップルがより健康になること
- 元気な赤ちゃんをさずかるチャンスを増やすこと
- 女性や将来の家族がより健康な生活を送れること
プレコンセプションケアは女性だけではなく男性側にも必要で、同センターのホームページでは男性向けにも健康維持のためのチェックシートを公開している。
プレコンセプションケアが必要な理由
なぜ今プレコンセプションケアの重要性が叫ばれているのか?それは、痩せ至上主義による低体重・栄養不足の女性の増加や、晩婚化・高齢出産の増加で妊娠時のリスク(妊娠しづらい、低出生体重児の出産、赤ちゃんの将来の生活習慣病リスクなど)が高まっているからだ。
広まるプレコンセプションケア
プレコンセプションケアを広めるため、今様々な取り組みが行われている。国立成育医療研究センターは「プレコンセプショ ンケア・オープンセミナー」を開催。慶應義塾大学のグループTeam BHDは、「BEAUTY&HEALTH DIARY」という毎日の健康状態を記録することで自分の体を見つめ直してもらう活動を行っている。ドコモ・ヘルスケアは企業向けに「女性のライフ ステージと健康セミナー」を行っている他、プレコンセプションケア啓発ムック本「からだにいいこと preco」とのタイアップで、女性のライフプラ ンや月経管理・基礎体温計測の重要性の情報を配信。
また同社が提供する女性向け健康アプリ「カラダのキモチ」では、プレコンセプションケアをより多くの女性に知ってもらうために「からだにいいこと preco」が監修するコラムをアプリ内で2017年11月16日(木)から 配信している。
晩婚化が進み高齢出産を考える女性が増えている中「妊娠と赤ちゃんのための健康づくり」に関心を寄せる人は多い。プレコンセプションケアはまだ始まったばかりの新しい考え方だが、これから急速に浸透しそうだ。
【編集部おすすめ記事】
■増加する不妊治療 女性の苦痛と不妊専門相談センターの取り組み事例
■がんでも妊娠の可能性残す「妊孕性温存」遠隔診療で地域格差なくす
■企業が理解すべき「妊娠・出産・育児期に関連する法律・制度」まとめ
■【保存版】ヘルスケア女性マーケティングに役立つ!政府公表の資料・データまとめ
■【保存版】女性向けヘルスケアビジネスの基本と全体像が分かる!まとめ