ダイエットのマーケティングに 女性が振り向くキーワード

女性向けのダイエット商品・サービスのマーケティング戦略設計の参考に。

楽&簡単「短期決戦型」から、「精神衛生重視型」へ

これまでは「〜日間で〜kgやせる!」と言った、「短期決戦型でどれだけ簡単にやせられるか?」が話題を集められるダイエットの鉄則、との風潮があり「好きな食べ物を我慢したくない!」「運動はつらい!」「楽して簡単に細くなりたい!」と願う多くの女性からの絶大なる支持を集めていた。果物や野菜を使った単品ダイエット、置き換えダイエット、食事制限などだ。しかし近年は、単純に「短期間で痩せる」「楽にやせる!」と謳っただけでは響きづらくなっている。それにかわり浸透しているのが「自己肯定」「自己受容」「自分らしさ」「ライフスタイルとして楽しむ」といった要素をベースにした、精神衛生を重視する概念だ。以下のようなポジティブ思考がそれに当てはまる。

  • 太っている自分を否定しない。自分の体型で好きなところを見つけて磨きをかけよう!
  • ファッションモデルや芸能人の体重や体型を指標としない。自分の身長、体型に合った体づくり!
  • 体重の数字だけにとらわれない。女性らしいボディラインかどうか?が大事!
  • 短期で痩せても、結局すぐにリバウンド。それより、時間をかけて生涯太らない体質に変えたい!
  • 嫌いなダイエットは続かない、だから毎日楽しみながらゆるく続けたい!

 

新しい概念が広がり始めている背景

精神衛生重視型ダイエットは、必ずしも楽で簡単なわけではない。時間がかかるが、それでもダイエットのプレッシャーやストレスからは解放される。「女性=いつもやせたいと思っている、常にダイエットに興味がある」と思われがちだが、深層心理には、ダイエットに対するイメージは「辛い」「憂鬱」「続けられるか不安」「続けられない自分が情けない」「結局いつも最後はドカ食いして自己嫌悪…」といった自己否定やネガティブ要素。「ダイエットそのものが辛い」と感じるのと同じくらいダイエット中に自己否定(体重や体型に対する自己否定だけではなく、メンタルが弱い自分に対する自己否定も含む)する女性は多く、それがまたストレスに…。ダイエットが「短期決戦型」から「精神衛生重視型」に切り替わっている要因としては、そのような心理状態が反映されていることの他に、いくつかの「意識変化」も関係しているだろう。

意識変化① 健康志向の高まり

年齢関係なく、健康を意識する女性が世界的に増えてきている。特に若年層の間では「美容=健康」という概念が定着してきたことも、不健康なダイエットが敬遠されるようになった理由だ。

意識変化② 消費者自身のダイエット経験値が向上

テレビや雑誌で大きな話題になるのは、ダイエット食品や単品ダイエットのハウツー、ダイエット器具などだが「あれ?話題になっているほどやせない…」と、飽きられるのも早いもの。そのような経験を繰り返しているうちに、消費者も「何か一つのハウツーや食品だけではやせられない」「短期でやせてもすぐにリバウンドしてしまうから、習慣を変えてやせる体質に少しずつ変えていくしくないのか」と気づき始める。

特に年齢を重ねるほど、消費経験やダイエット経験が豊富になることで自身の性格や体質の特徴をよく理解するようになり、やがて現実的なダイエット方法を選択するようになる。消費経験が豊富な30代以降をターゲットにする時には特に表現に気を付けたい。

 

意識変化③ ダイエットの手本「憧れるモデル」の多様化

ダイエットをする女性には、それぞれ「理想像」があるもの。ファションモデル、芸能人、ハリウッドセレブ、スポーツ選手などが一般的だ。しかし、最近ではSNSやYou tubeといった動画サイトを通じて一般の人が有名になることも多く、CMやテレビ番組で一般の人を取り上げることが増えている。

ぽっちゃり系や身長の低いモデルが有名になることもあれば、とりわけ容姿が秀でているわけではないが本人の仕事や生き方が共感されて有名になったり人気になることも。

各雑誌では、積極的に一般女性を誌面に載せる流れが起きている。これまでにも読者モデルという立場で誌面を飾る女性はいたが、今は、様々なタイプの女性が雑誌やwebメディアに登場する。様々な体型の女性が多くの女性の目に触れられるようになったことで、女性たちはちょっと頑張れば届きそうな自分に近い女性を「目標」にするようになったこれにより「やせていることが全てのキレイの基準ではない」という考えが生まれ、コンプレックスに感じていた自分の嫌いな部分も肯定的に受け入れられるようになってきている。

 

意識変化④ 「目標とする女性」の考え方を知れるようになった

雑誌やテレビなど、限られたマスメディアからのみ情報を集めていた時代とは異なり、今は個人が好きな時に好きなだけ、芸能人や国外の有名人、一般人の日常生活を簡単にSNSで覗き見れるようになった。芸能人や有名人は外見に気を配っている人たちが圧倒的に多い。ホールフーズ食にこだわっていたり毎日ジョギングをしているなど健康的な生活を送っている人の姿を必然的にSNS上でよく見かけることになる。また彼ら彼女らの日々の発言から、生き方や価値観を垣間見ることもできる。そこから「やせるためには、日々の健康的な生活をコツコツ続けることが大切なんだ!」「キレイな人たちは、短期で体重を無理に落としているわけではないのね」とダイエットの本質を学び取り、そして「健康的な食事をとったり体を動かすことって何か楽しそう!」とダイエットに対するイメージに変化が起きるのだ。

 

意識変化⑤ 美容やファッションに対する意識の高年齢化

団塊世代は今もなお消費意欲は活発で、自分たちを「高齢者」扱いされることに不自然さを感じている。かつては、ダイエットや美容市場におけるメインターゲットはF1層(20~34歳の女性)を中心とした女性だったが、今は年齢関係なく多くの女性が美容に興味を持つ時代。美容意識が高い女性の高年齢化が、急激なダイエットや不健康なダイエットを排除したいと思う女性を増やす要因になっている。彼女たちが求めるのはヘルシーなダイエットだ。

 

意識変化⑥ 価値観の多様化

今、ファッション、メイク、生き方、ライフスタイルの基本は「ガッツリよりもゆったり取り組む」スタイルのエフォートレススタイルだ。

 

女性が振り向くダイエットキーワード

以上を踏まえ、下記のような点を意識した訴求は共感を得やすいだろう。ダイエットマーケティングの参考に。

  • 細くなる、体重が落ちることだけにフォーカスするのはNG
  • 心にも体にもストレスになる要素を含む辛い方法や思考の推奨はNG
  • 女性らしいカーヴィーなボディライン作りにフォーカス
  • 自分の体型を肯定する(自分の体のチャームポイントを見つけよう!)
  • 無理せず、ゆっくり、自分のペースで、ゆるやかに、を意識したダイエット
  • ライフスタイルの一つとしてダイエットを楽しめる提案を
  • やせる以外の「嬉しいこと(キレイ要素、健康要素)」もアピール
  • やせるためのダイエットというよりも、健康的なライフスタイルの延長線上にあるダイエット
  • 辛さを想起させるダイエットより、ヘルシー感の強調を

Instagramに投稿したくなるようなワクワク感を日常に提供してくれるようなダイエット方法を提案するのも良いだろう。多くの女性にとってダイエットを継続するモチベーションになる。「#デトックスウォーター」「#フレーバーウォーター」が人気になっているのはまさに、ワクワク感や見た目の可愛さによるものが大きい。

 

女性ヘルスケア白書2024 市場動向予測レポート

 

 

 

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