ダイエットシェイクに代わり飛躍、需要掴む新しい健康食
ビタミンやたんぱく質など健康を維持するために必要な栄養素を一度にとることができる「完全食(または完全栄養食)」。完全食は「味が濃すぎる」「味がいまいち」といった声も少なくなく、味の面での改善余地はまだあるものの、「完全食」という言葉の認知も広がり関心は高まっている。特に「毎日忙しくて健康を気遣う時間がないが、健康な食生活を送りたい」人たちの需要を掴む、新しいスタイルの健康食・ダイエット食だ。巷でよく知られている完全食の事例を見てみよう。
目次
完全食 3例
完全食のパイオニアBASE FOODのパスタとパン
BASE FOOD(東京・目黒)は2017年より完全食パスタ「BASE PASTA」を販売しており、日本では完全食のパイオニア。完全食のパンも販売している。
5時間で完売、日清食品のまぜそば
日清食品は、完全食「All-in PASTA」を2019年3月に発売。発売直後には販売計画の2カ月分にあたる在庫がわずか5時間で完売。その後も2ヵ月間、品薄の状態が続いた。続く2019年8月にはAll-in シリーズの第2弾となる「All-in NOODLES」の販売を開始した。
食品ベンチャー COMPのドリンク、パウダー、グミ
食品の企画販売を行うCOMP(東京・渋谷)は、完全食としてドリンク、パウダー、グミタイプを揃えている。
同社HPには納得の文言が。
健康は、ラクじゃない。
何かに夢中になりながら
日々の食生活を考えるのは
とても難しいことです。だから、私たちは発明しました。
(引用:COMP)
自己流、完全食
栄養をしっかり考えた食事メニューを自分でつくったり、外食先で栄養バランスが良さそうなメニューを選んだり、あるいは自分の好物をそろえた食事のことを「(自己流)完全食です!」と定義するSNS投稿も複数見られる。
「ダイエットシェイク」と「完全食」、需要高まるのはどっち?
「それ一つで必要な栄養素を補える」完全食。そのわかりやすいネーミングと、生活者の間での認知度が上がっていることを追い風に、ダイエットの定番である「パウダーを牛乳・水に混ぜるだけ」のダイエットシェイクを「完全栄養食ダイエット」として訴求を始める例もチラホラ出てきている。
ただ、今後ダイエット中の置き換え食として勝ち星を上げるのは「完全食」の方だろう。ダイエットシェイクは長らくダイエットの定番商品として多くの人に愛されてきたが、シェイクという形状からあくまで “ドリンク” という位置付けのため、食事をした気がせず満足感の点では不満の声が多かった。
一方で完全食はドリンクではなく”食べ物”。「食べた感」をしっかり味わえる上に、なんと言っても、ダイエットの敵として槍玉にあげられ続けてきた「(糖質の塊である)パンや麺類」一つだけで栄養バランスを整えられるのは、ダイエットシェイクにはない大きな魅力。気持ち面も栄養面も大満足だ。実際にネット上の関心度を比較すると、「ダイエットシェイク(青線)」よりも「完全食(赤線)」の方が圧倒的に高い。今後、各社からバリエーション豊かな完全食が登場しそうだ。
女性の健康食品の選択基準は?
小林製薬の紅麹サプリを巡る問題で、健康食品への不信感や動揺が消費者の間で広がっています。特に男性よりも健康意識・健康行動者率が高い女性による “健康食品の摂取控え” が懸念されることから、健康食品を普段摂取している20〜70代女性を対象に、健康食品に対するイメージの変化や、今後の摂取意向、今後の健康食品の選択基準を調査しました。女性たちのリアルな声からは、今後の健康食品の開発・販促・コミュニケーション設計のヒントを見つけることができます。詳細は「紅麹サプリ問題で、健康食品の選択基準に変化 女性消費者分析でわかった88キーワード」へ。
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