健康スコアリングとは?健康経営を目指す企業が知っておきたい概要(2/4)

健康スコアリングレポートを通じて健康課題を共有

健康スコアリング活用ガイドライン」では、健康スコアリングレポートを通じて健康課題を共有する方法として、以下4つのステップを紹介している。

  • ステップ①:健康スコアリングレポートの受取り
    健保組合に健康スコアリングレポートが届く。企業経営者向け資料として「案内状」「健康スコアリングレポート本紙」が、健保組合・企業担当者向け資料として「参考資料」「健康スコアリング活用ガイドライン」が同封されている
  • ステップ②:健保組合と企業担当者による健康スコアリングレポートの共有
    健康スコアリングレポートの内容を確認したら、健保組合と企業の担当者との間で共有。その際、健保組合のデータヘルス計画におけるデータ分析結果など、健保組合が既に保有しているデータを併せて共有すると効果的
  • ステップ③:健保組合と企業担当者による経営者への説明
    経営者向け資料について、健保組合と企業の人事・総務担当者等が共に経営者に説明する場を設ける。必要に応じて「参考資料」や健保組合などが実施した詳細なデータ分析の結果を活用する
  • ステップ④:経営者に対する「コラボヘルス」や「健康経営」実施の提案
    健康課題や職場環境などの特性に応じた病気予防・健康づくりの取り組みの実効性を高めるために、経営者に対し、企業と健保組合の連携強化(コラボヘルス)の重要性と「具体的に何をしてほしいか?」を伝える

「健康スコアリング活用ガイドライン2018年度版」概要

第一弾となる健康スコアリングレポートは、2018年8月31日付で健保組合、国家公務員共済組合に送付された。そこに同封された「健康スコアリング活用ガイドライン2018年度版」では、健保組合と企業の担当者が、健康スコアリングレポートの趣旨や活用方法を理解し、両者の連携による効果的な取り組みにつなげられるよう、健康スコアリングレポートの目的や見方、活用方法などがまとめられている。

健康課題の共有においては、健保組合と企業担当者による経営者への説明や、経営者に対する「コラボヘルス」や「健康経営」実施の提案でのポイントが具体例とともに示されている。

また、コラボヘルスによって具体的な対策を推進していくためには、社長・役員等経営者を中心とした、企業・健保組合・労働組合・産業保健スタッフなどによる横断的な推進体制を構築することが重要だと解説。実効性を高める役割分担の例なども示している。

その他にも、活用できるツールや制度、活用チェックリストなども提示。

2019年度健康スコアリングレポートの実施方針

2019年5月に「2019年度健康スコアリングレポートの実施方針」が公表された。2018年度効果検証結果と「健康スコアリングの詳細設計に関するワーキンググループ」における議論を踏まえて、コラボヘルス実施に向けた働きかけをさらに強化する方針が盛り込まれた。

2019年度健康スコアリングレポートは、2018年度版と同様、NDBを活用し、保険者単位による特定検診等の実施率、特定健康診査の検査・問診項目である健康状況5項目(肥満、血圧、血糖、脂質、肝機能)、生活習慣5項目(喫煙、運動、食事、飲酒、睡眠)、現状の医療費(医科・歯科・調剤医療費)とすることが決定している。

また、レポート本紙と参考資料に新たな評価指標として「経年変化」を加えたり、評価区分を細分化したり、新たに目標値を設定するなど、レポート内容の充実化を図る。さらに、コラボヘルス推進に向けた事業主・保険者への働きかけ強化として、参考となる好事例を活用ガイドラインに記載したり、企業経営者に対する要請文にナッジ理論を取り入れるなど、より経営層の関心を高める工夫が盛り込まれている。

今後の方針として、2019年度に新たに取り入れた要素が行動変容にどの程度影響を及ぼしたかを多角的に分析し、効果が得られた取り組みについては事業主単位での健康スコアリングレポートに反映することが予定されている。なお、2019年7月に「2019年度健康スコアリングについて」が公開されている。

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