健康スコアリングとは?健康経営を目指す企業が知っておきたい概要(3/4)
2018年の健康スコアリングレポート集計でわかったこと
ここからは、厚生労働省が2018年12月に公表したレポート「健康スコアリングについて」の結果からわかった、健康スコアリングで見える化されたデータをピックアップして紹介。
高い「特定健診」実施率と、低い「特定保健指導」実施率(業態別)
特定健診実施率の全保険者目標値は70%、特定保健指導実施率の全保険者目標値は45%。この目標値に対して、実際の実施率はどれくらいなのか?2016年度の全健保組合の特定健診の実施率は75.2%、特定保健指導の実施率は19.2%だった。特定健診の実施率は、多少の業態間の差はあるが全ての業態において概ね70%~80%の水準となっている。一方で特定保健指導の実施率は全ての業態において目標値を下回っている。
業態で異なる健康状況
業態ごとに、健康状況や生活習慣について様々な傾向がみられる。業態別の健康状況(肥満・血圧・肝機能・脂質・血糖のリスク保有者割合)を見てみると、「平均より良好」である業態と「平均より不良」である業態がわかる。( )内は、当該業態に占める「平均より良好」あるいは「平均より不良」な企業の割合を示している。
- 「平均より良好」な業態、トップ5
・学術研究、専門・技術サービス業(94%)
・教育・学習支援業(92%)
・医療、福祉(90%)
・生活関連サービス業、娯楽業(74%)
・金融業、保険業(71%) - 「平均より不良」な業態、ワースト5
・建設業(91%)
・運輸業(68%)
・金属工業(66%)
・複合サービス業(53%)
・木製品・家具等製造業(50%)
・印刷・同関連業(50%)
業態で異なる生活習慣
業態別の生活習慣(喫煙・運動・食事・飲酒・睡眠の習慣が適正な者の割合)は以下の通り。
- 「平均より良好」な業態、トップ5
・教育・学習支援業(82%)
・電気・ガス・熱供給・水道業(67%)
・国家公務員共済組合(65%)
・医療、福祉(57%)
・化学工業・同類似業(49%) - 「平均より不良」の業態、ワースト5
・印刷・同関連業(88%)
・宿泊業、飲食サービス業(75%)
・木製品・家具等製造業(67%)
・飲食料品以外の小売業(60%)
・複合サービス業(60%)
特定健診・保健指導の実施状況に比例する「健康状況・生活習慣」
特定健診・保健指導の実施状況が良好な健保組合ほど、健康状況や生活習慣が良好な割合が高い。
- 特定健診・保健指導の実施率が「平均より良好」である健保組合
健康状況でも「平均より良好」である割合が高い(43.6%) - 特定健診・保健指導の実施率が「平均より不良」である健保組合
健康状況でも「平均より不良」である割合が高い(45.8%) - 特定健診・保健指導の実施率が「平均より良好」である健保組合
生活習慣でも「平均より良好」である割合が高い(45.5%) - 特定健診・保健指導の実施率が「平均より不良」である健保組合
生活習慣でも「平均より不良」である割合が高い(41.4%)
これらのことから、特定健診・保健指導の実施状況は、被保険者の健康状況や生活習慣にも影響を与えていると考えられる。
健康経営優良法人認定法人が所属する健保組合は健康状況・生活習慣良好
健康経営優良法人2018(大規模法人部門)認定法人が所属する健保組合では、健康状況、生活習慣の良好な割合が高いことがわかった。
- 健康経営優良法人(ホワイト500)の所属健保組合における健康状況
「平均より良好」が最も多い(46.9%) - それ以外の所属健保組合
「平均より良好」が29.7% - 健康経営優良法人(ホワイト500)の所属健保組合における生活習慣
「平均より良好」な割合が48.1% - それ以外の所属健保組合
「平均より良好」が29.2%
医療費適正化や労働生産性向上のために注目されている「健康経営」。その取り組みが、従業員の健康づくりにつながっていることが分かる。