メジャー企業の場合「サブサービス」の方が購買促進できる?ある企業のCM

グノシー、ライザップ、トリバゴのように新興企業によるCMは、登場してしばらくは、新しい企業の勢いに注目が集まるということもありインパクトが強く新鮮さがあるが、何十年もの長い間CMを放映し続けているメジャー企業の場合、メジャーすぎるが故に前者のような大きなインパクトや新鮮さを与えにくい。

起用する女優や俳優が変わったり新商品をお披露目しても、視聴者の目には「お馴染みの企業のCM」と映るだけで、購買行動を促すまでの興味喚起は容易ではない。

「使ってみようかな」と思わせるジャパネットたかたのCM

ジャパネットたかたも多くの消費者が知るメジャー企業の一つであるが、同社が現在放映しているテレビCMは一味違った視点からつくられており、今までジャパネットたかたを使ってなかった人も、あるいは離脱して利用しなくなった人も「使ってみようかな」という気にさせられる。

CMの内容は、同社のアフターサービスについて紹介するというもの。女性がミシンを使ってバッグをおばぁちゃんにプレゼントしようとするのだが、ミシンの使い方が分からない。そこでジャパネットたかたに電話してみると、ミシンの使い方を撮影した動画が送られ、女性は無事バッグを完成させることができる(実際のCMは同社HP「ジャパネット企業CM今に いいこと、もっと、ずっと応対篇」)。

「ジャパネットたかた」と言えば、多くの人にとって「(創業者)高田氏の独特のしゃべり方」「テレビショッピング」「分かりやすい説明」「特典が多い」印象が強く、このような細やかなアフターサービスがあることを知る消費者は多くないのでは?同社のメインサービスはもちろん商品を販売することだが、その影に隠れて目立たないアフターサービスをあえて打ち出す方が、視聴者の「わざわざ動画を送ってくれるの?そんなサービスもあったのか!」という発見から「利用してみたい・利用してみようかな」を引き出せる。

知られていない側面が、実は大きな魅力に

一つの商品・サービスは、様々な特性・特徴を持つ。どういうことか?A社の健康サプリで考えてみよう。その商品は次のような様々な特徴(魅力)を持っている。

  • 1.A社というブランド力・知名度
  • 2.効果効能
  • 3.他社は仕入れられないような貴重な成分が配合されていること
  • 4.飲みやすさ
  • 5.ネーミングの覚えやすさ
  • 6.パッケージデザインのかわいさ
  • 7.ギフト用としても購入ができる
  • 8.通販、コンビニ、スーパー、どこででもすぐに購入できる

これらのうち「どこを前面に打ち出すか?」によって商品の売れ行きは大きく変わってくる。例えば、これまで2と3ばかりを前面に打ち出してきたが、戦略方針を変更し5と6を前面訴求するようにした、というだけで売れ行きが変わった事例は多い。

消費者にはあまり知られていない側面を前面に打ち出すことで、消費者の興味喚起を促し、購買意欲をかきたてるという方法において、同社のこちらのCMは大変参考になるだろう。同社の2017年CMキャッチコピーは「今に いいこと、もっと、ずっと」(同社HPより)だという。

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