フィットネストラッカーとは?主な機能と製品事例、市場動向
予防医療や個々の健康管理の重要性が増している中、日々の運動量や睡眠状況、身体状況を把握できる便利なツールとして「フィットネストラッカー」が注目を集めている。フィットネストラッカーは、ユーザーによる運動の記録を自動的に取得するデバイスのことで、歩数計から進化したともいえるこのツールは今、高機能・多機能化している。
目次
フィットネストラッカーとは?
フィットネストラッカーとは、日本語では「活動量計」と訳される。海外では「アクティブトラッカー」と呼ばれることもある。文字通り、歩数や消費カロリー、睡眠時間といった身体活動量を計測し、自動的に記録してくれる端末のこと。病気を予防して健康を維持・増進する目的のために行われる健康管理をサポートする。
フィットネストラッカーの特徴
フィットネストラッカーは、腕や腰などに身につける「ウェアラブルデバイス(身につけて持ち運びができるコンピュータのこと)」の一種。フィットネストラッカーの先駆けとなっているのは、いわゆる「歩数計」(万歩計は、山佐時計計器の登録商標)。歩数計自体もIoT(モノのインターネット)機能を搭載するなど、高機能化が進んでいる。フィットネストラッカーには、複数の装着方法があり、それぞれ形状が異なる。代表的な装着タイプは以下の3つ。
- 【リストバンド型】手首に巻き付けて使用する
- 【クリップ型】ベルトやシャツなどに留めて使用する
- 【指輪型】指にはめて使用する
そのほか、首から下げるネックレス型や、髪・耳につけられるタイプもある。最も一般的なフィットネストラッカーはリストバンド型で、腕の動きから歩行や走行の状態を検出できる。腕時計のようなデザインをしているものもありバリエーションは豊富だ。
スマートウォッチとの違い
リストバンド(腕時計)型のフィットネストラッカーと混同されがちなのが、「Apple Watch」などに代表される「スマートウォッチ」だ。スマートウォッチとはスマートフォンのような情報機器の機能を内蔵した腕時計のことを指す。一般的にフィットネストラッカーよりも広い範囲で使われる用語である。スマートウォッチは、腕時計と同様のリストバンド型が主流だ。スマートフォンと連携して、電話の着信を通知したり、電子メールやTwitterなどのメッセージを表示することもできる。また、フィットネストラッカーのように、脈拍や歩数などの身体活動情報をトラッキングしてスマートフォンに送ることも可能。
フィットネストラッカーを使うメリット
フィットネストラッカーを使うメリットは主に次の4つ。
- 身につけておくだけで運動量や消費カロリー、睡眠の質などを自動記録してくれること。ユーザーが設定したり意識することなく、日々の身体活動がライフログとして記録される
- 日々変化する身体活動の状況が可視化されるため、体調の悪化を防いだり、すぐに不調を察知できる
- 記録された身体活動状況は正確な数値データとして確認・把握できるため、具体的な目標を立てやすい。例えば消費カロリーの計測。感覚に頼ることが多い消費カロリーも正確に把握することで、ダイエットや健康維持の目標として明確な数値を掲げることができる
- 毎日の運動量がデータとして記録・蓄積されるため、体重・体調の変化と紐づけることでダイエットや運動の効果を実感しやすい。ダイエットやジムに通っている場合、フィットネストラッカーはモチベーションの継続を動機づけるツールとして活用できる
フィットネストラッカーの主な機能
歩数計機能
最も一般的なフィットネストラッカー機能といえば歩数計機能。ウォーキングやジョギング、ランニングをする人にとっては欠かせない機能の一つ。歩数の計測方式には機器内にある振り子が揺れると歩数をカウントする「振り子式」と、電圧を利用する「3D加速度センサー式」の2つがある。また移動距離を算出したり、GPS機能を備えているフィットネストラッカーもある。
心拍計測機能
最近のフィットネストラッカーの多くが備えている機能が「心拍計測機能」。腕や胸に着用することで心拍数を測定できる。測定方法は「自動」「手動」の2種類。トレーニング中の心拍数を記録することで、運動強度を適切に維持したり、最適なペースの調整が可能になるため、過度なトレーニングの防止にも役立つ。また心拍数はストレスも関係する。心拍数変動(HRV)を解析し、ストレスの増減レベルを確認できる。さらにそのストレスが物理的なストレスか感情的なストレスなのかを認識できる機種もある。
睡眠管理機能
厚生労働省の平成29年「国民健康・栄養調査」によると、日本人の5人に1人が睡眠による休養が充分にとれていないという。睡眠不足は高血圧、糖尿病、動脈硬化等の生活習慣病の原因になると言われており、近年、良質な睡眠へのニーズは高まっている(参考:厚生労働省の平成29年「国民健康・栄養調査」)。そこで注目されている機能の一つが「睡眠管理」機能。眠りに落ちたタイミングから自動で計測を開始する。単純に睡眠時間を計測するだけでなく、レム睡眠やノンレム睡眠を検知して眠りの深さや質を測定する製品もある。リストバンド型(腕時計型)や衣服につけるクリップ型などに搭載されている。
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アプリ連携機能
フィットネストラッカーは、前述のように、いわば”身につけるコンピュータ”。スマートフォン(スマホ)との連携が可能で、実際多くの製品がスマホアプリと連動し、幅広い機能を利用できる。例えばフィットネストラッカーで記録した身体記録をスマホで閲覧することもできるし、SNSから運動状況を仲間と共有することも可能。さらに従来のスマートウォッチのように電話やLINEなどの着信を確認する機能を備えているものもある。今後も連携機能が強化・追加されることで、より便利に快適に利用できるようになるだろう。
防水機能
常に身につけておく機器として気を付けたいのが防水機能。防水機能が備わっていれば、水泳や屋外での活動、汗をかく運動などレジャーやスポーツなど様々なシーンで利用しやすい。また日常生活では、洗い物をしたり、お風呂に入るなど水に触れる機会が多い。防水機能があればそうした状況でも付け外しが不要で、装着し続けることができる。
フィットネストラッカーの製品事例と市場の動向
フィットネストラッカーの製品事例
ガーミン(GARMIN)
GARMINはGPSウォッチやカメラ、カーナビゲーションシステム、モバイルGPS市場向けアプリなど、GPS機能を搭載する装置・機器を開発する企業。フィットネストラッカーとしては、スタンダードモデル「vivofit」、スマホとの連携に強い「vivosmart」、スポーツ用途向け「vivoactive」の3種を展開。カジュアルさやスポーティなデザインが人気だ。
GARMIN(ガーミン) アクティブトラッカー 活動量計 vivofit4 Black レギュラーサイズ 歩数 防水
フィットビット(Fitbit)
Fitbitは米国のフィットネス製品のメーカー。ワイヤレス活動量計・睡眠計リストバンド、ワイヤレス多機能体重計などが主力製品。フィットネストラッカーとしては、スタンダードモデル「Charge3」、新シリーズ「Inspire」「Inspire HR」、子ども向け「Ace 2」を用意している。高い性能で人気があり、自社展開するアプリとも連携できる。
Fitbit Charge3 フィットネストラッカー Black/Graphite FB410GMBK-CJK
タニタ(TANITA)
TANITAは体組成計、ヘルスメーター、歩数計など家庭用・業務用計量器の製造・販売企業。リストバンド型ではなく、ネックストラップやクリップで取り付けるタイプもある。他社製品と比べて、比較的安価である点も特徴。
タニタ(TANITA) 活動量計 カロリズム ブラック AM-161-BK
ソニー(SONY)
SONYは「SmartBand Talk リストストラップSWR310」を提供。アクティブトラッカー機能によって、手軽に心拍数や消費カロリーなどを測定できる。Android端末と連携して、手元でのハンズフリー通話やボイスコントロールができる。軽量設計で手首や足首への負担も少ない。
SmartBand Talk SWR30用リストストラップ Lサイズ(レッド&ブルー)SONY SWR310
ポラール(POLAR)
POLARは世界初のワイヤレス式心拍計を開発するなど、独自の心拍計測テクノロジーを持つ企業。スポーツ用途のスマートウォッチが主力製品。女性でも身につけやすいデザインが特徴。フィットネストラッカーとしては「POLAR A370」、心拍センサー「POLAR H10」などを用意している。
POLAR活動量計+リスト型心拍計 A370 ブラック M/L 90064881
フィットネストラッカー市場の動向
市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングが実施した世界のウェアラブルデバイス市場に関する調査(2018年)では、世界のウェアラブルデバイス普及台数は2025年に5億台となり、2017年比5倍の普及になると予測している。2017年の製品カテゴリー別内訳は、スマートウォッチが50.6%、ブレスレット型のフィットネストラッカーは36.8%となった。
2012年以降スマートフォン市場の成長鈍化によってウェアラブルデバイスに注目が集まり、中でもブレスレット型のフィットネストラッカーが多くのユーザーを獲得し市場が立ち上がったと同社は分析する。その後、2015年にApple Watchが発売されたことで、既存のスマートウォッチ市場とフィットネストラッカー市場の一部を吸収してシェアが拡大している。また同調査結果では、最近注目されているウェアラブルデバイスとして、耳につけるイヤホン型デバイス「ヒアラブル」を紹介。イヤホン型デバイスはスピーカー機能や通信機能、歩数・心拍数などを測定するセンサー、通話や音声認識ができるマイク機能などを備える。
今後有望な領域としては、産業用と医療分野が注目されているという。その普及には、技術の進歩とユーザーニーズに応えるサービスやコンテンツの提供が重要となると指摘。またセンシティブなユーザーの個人情報を取り扱うため、情報セキュリティやプライバシー侵害などの課題も残っていると説明する。
広がる、フィットネストラッカー活用の場
フィットネストラッカーは、最近では、音楽が聴けたり、電話ができるなど機能が多様化している。健康管理のニーズが高まるとともに、個人の身近なライフログを記録、管理するツールとして需要は今後さらに高まると予想される。企業の健康経営、医療機関と患者の情報共有、介護をする人とされる人の情報共有など、活躍の場はどんどん広がりそうだ。
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