フィットネストラッカーとは?主な機能と製品事例、市場動向(1/3)
予防医療や個々の健康管理の重要性が増している中、日々の運動量や睡眠状況、身体状況を把握できる便利なツールとして「フィットネストラッカー」が注目を集めている。フィットネストラッカーは、ユーザーによる運動の記録を自動的に取得するデバイスのことで、歩数計から進化したともいえるこのツールは今、高機能・多機能化している。
目次
フィットネストラッカーとは?
フィットネストラッカーとは、日本語では「活動量計」と訳される。海外では「アクティブトラッカー」と呼ばれることもある。文字通り、歩数や消費カロリー、睡眠時間といった身体活動量を計測し、自動的に記録してくれる端末のこと。病気を予防して健康を維持・増進する目的のために行われる健康管理をサポートする。
フィットネストラッカーの特徴
フィットネストラッカーは、腕や腰などに身につける「ウェアラブルデバイス(身につけて持ち運びができるコンピュータのこと)」の一種。フィットネストラッカーの先駆けとなっているのは、いわゆる「歩数計」(万歩計は、山佐時計計器の登録商標)。歩数計自体もIoT(モノのインターネット)機能を搭載するなど、高機能化が進んでいる。フィットネストラッカーには、複数の装着方法があり、それぞれ形状が異なる。代表的な装着タイプは以下の3つ。
- 【リストバンド型】手首に巻き付けて使用する
- 【クリップ型】ベルトやシャツなどに留めて使用する
- 【指輪型】指にはめて使用する
そのほか、首から下げるネックレス型や、髪・耳につけられるタイプもある。最も一般的なフィットネストラッカーはリストバンド型で、腕の動きから歩行や走行の状態を検出できる。腕時計のようなデザインをしているものもありバリエーションは豊富だ。
スマートウォッチとの違い
リストバンド(腕時計)型のフィットネストラッカーと混同されがちなのが、「Apple Watch」などに代表される「スマートウォッチ」だ。スマートウォッチとはスマートフォンのような情報機器の機能を内蔵した腕時計のことを指す。一般的にフィットネストラッカーよりも広い範囲で使われる用語である。スマートウォッチは、腕時計と同様のリストバンド型が主流だ。スマートフォンと連携して、電話の着信を通知したり、電子メールやTwitterなどのメッセージを表示することもできる。また、フィットネストラッカーのように、脈拍や歩数などの身体活動情報をトラッキングしてスマートフォンに送ることも可能。
フィットネストラッカーを使うメリット
フィットネストラッカーを使うメリットは主に次の4つ。
- 身につけておくだけで運動量や消費カロリー、睡眠の質などを自動記録してくれること。ユーザーが設定したり意識することなく、日々の身体活動がライフログとして記録される
- 日々変化する身体活動の状況が可視化されるため、体調の悪化を防いだり、すぐに不調を察知できる
- 記録された身体活動状況は正確な数値データとして確認・把握できるため、具体的な目標を立てやすい。例えば消費カロリーの計測。感覚に頼ることが多い消費カロリーも正確に把握することで、ダイエットや健康維持の目標として明確な数値を掲げることができる
- 毎日の運動量がデータとして記録・蓄積されるため、体重・体調の変化と紐づけることでダイエットや運動の効果を実感しやすい。ダイエットやジムに通っている場合、フィットネストラッカーはモチベーションの継続を動機づけるツールとして活用できる