シニアマーケティング 事例・プロモーション・トレンド(1/5)

シニアマーケティングへの注目が急速に高まっているが、シニアマーケットを理解する情報や成功事例がまだ多くないことから、シニアマーケティングを難しいと捉える企業は多い。

実際に多くの企業から聞こえてくるのは「シニア市場に参入したいが、今まで若い世代(20~40代)中心の市場で展開してきているから、アプローチの手法がわからず参入への不安がある」「シニア市場に入ってみたがうまくいかない。失敗要因は何なのだろう…」という声。

2025年には人口の3割が高齢者となり、今後国内消費の主力となっていく。本稿では、女性シニア市場を理解できるデータなどの基本情報と、シニアマーケティングの事例や消費トレンドを解説。プロモーションのキーワード発見にも。

シニアマーケティングの市場を理解する

シニアは何歳以上か?

シニアとは具体的には何歳以上の人を指すのか?定義は業界や個々で認識が異なり、以前は50歳以上をシニアと呼ぶケースも見られたが、近年はWHOが定義する65歳以上をシニアと捉える流れが強い。

なお、人口統計における区分では次のように定義されている。世間一般的なイメージとしては、60~70代がシニア、80~100代が高齢者。ここから先に紹介する各省庁や企業の統計・調査では、「シニア」「高齢者」を定義する年齢がそれぞれで異なるため、わかりやすく解説することを目的に本稿では60歳以上を「シニア」として話を進める。

  • 6〜14歳…児童
  • 15〜34歳…青年
  • 35〜64歳…壮年
  • 65〜74歳…前期高齢者
  • 75歳以上…後期高齢者

シニアの人口(2019年9月時点での推計)

  • 65歳以上の人口は3,588万人で過去最多(総人口に占める割合は28.4%で過去最高)
  • 65歳以上の男性は1,560万人
  • 65歳以上の女性は2,028万人
  • 2040年には、65歳以上の人口は推計3,921万人(総人口に占める割合は35.3%)
    参考:総務省統計局

シニア向け産業の市場規模

みずほコーポレート銀行産業調査部は、65歳以上のシニア向けの市場規模(「医療・医薬、介護、生活産業」)についてリサーチ。レポートでは次のように分析している。シニア向け市場の対象範囲は図の通り。

  • 2025年に101.3兆円規模に成長見込み(2007年対比161%)
  • 医療、医薬、介護産業は50.2兆円規模に(2007年度:22.6兆円)
  • 生活産業は51.1兆円規模に(2007年度:40.3兆円)

シニアの消費推移

人口動態の変化に伴いシニアの消費支出全体が増加するため、今後シニア向け商品・サービスの急速な需要拡大が見込まれるのは必至。「家計消費全体に占めるシニアの消費割合予測」を見ると、1990年は24.6%(33兆円)だったのが、2030年には47.0%(77兆円)まで拡大するとの予測がある。今後はシニアが国内消費のメインプレーヤーになっていく。

 

 

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