女性向けホームページ制作 11のコツ

女性向けのホームページ制作やデザインでは、押さえておくべきポイントがあります。女性マーケティング戦略支援を行うウーマンズは、ホームページ制作会社ではありませんが、様々な企業から「女性ターゲットのホームページをつくるから(リニューアルするから)、女性マーケティング視点で手伝ってもらえないか?」というご相談を頂きます。その際ウーマンズは、制作会社と弊社クライアントの間に入って、女性マーケティング視点でホームページディレクションを行います。さまざまな制作会社と一緒に多くのホームページ制作を手掛けてきた中で、集客につながる・成果につながるホームページには共通項があることが分かってきました。

女性向けホームページ制作には共通項がある

業種・取り扱い商品サービス・価格帯・ターゲットなどによりホームページ制作・デザインで気を付ける点・工夫すべき点は異なりますが、当稿では、女性向けホームページ制作の基本として押さえておくべきポイントを、「【セミナー】女性を動かすHPとは?興味関心を惹く、今どきHPの戦略・仕掛けを学ぶ」にご参加頂いた皆様からのご質問に回答する形で11個、お伝えいたします。

女性向けホームページ制作のヒント11

女性客の反応をあげるホームページ戦略にはさまざまな解決策がありますが、今回ご参加者様から頂いたご質問には、女性マーケテイング視点を中心に回答させていただきます。一つの解決案・戦略案としてぜひご参考ください。

【Q1.】 滞在時間を延ばすホームページ、女性が思わずクリックしたくなるしくみは?

滞在時間を延ばす・クリックしてもらうためには、ホームページそのもののつくり(バナーを立体的にする、色を目立たせる、導線を工夫するなど)ばかりが注目されがちですが、それらを工夫することに合わせ「訪問者のニーズにマッチしたコンテンツを掲載すること」 「コンテンツそのものの魅力度」が重要です。この視点が意外と見落とされがちです。

HP制作に入る前段階でまずは「コンテンツ企画」から行ってみてはいかがでしょうか。その際、ライフコース視点から策定するターゲット女性の「価値観・ニーズ」を反映したコンテンツ企画であることが前提です。

【Q2.】 母親も父親もターゲットなので中途半端なHPに。どうすればいい?

女性マーケティングの視点から考えると、母親も父親もターゲットになっている場合は母親をターゲットにしてホームページ制作を進めることをおすすめします。理由は次の通りです。

  • 理由1:多くの家庭では家族ゴトに関連する商品サービスの検索・検討・決定を下すのは女性。女性に絞って訴求する方が反応を得られやすい。
  • 理由2:ターゲットを母親と父親の両方にすると、ご質問の通り「中途半端」なつくりになってしまう。
  • 理由3:母親をターゲットに絞ることでホームページのその後の運用(広告出稿やSNSとの連携など)も母親向けに訴求でき、戦略に一貫性を持たせることができる。つまり成果を出しやすい施策を行える。

【Q3.】 集客できるHPにするための工夫とは?

集客できているホームページは、「制作を始める前に事前に策定しておくべき戦略」が明確です。基本的なSEO対策やSNSとの連携、広告出稿などで集客効果を上げることは可能ですが、それはそもそも「ターゲット女性の興味を惹く商品・サービス訴求ができていること(例:コンセプトが新しい/差別化が明確/その差別化が魅力的/キャッチフレーズが分かりやすいなど)」が前提です。集客に強いホームページ制作を行うためには次の順番で進めます。

  1. 「制作を始める前に事前に策定しておくべき戦略」を明確にする
  2. 制作会社に依頼する際、1を伝える
  3. ホームページ完成
  4. 集客につながる施策(SNSとの連携、広告出稿など)の実行

1で策定すべき戦略は「コンセプト」「1番の強み」「差別化」「ライフコース視点によるターゲット設定」「世界観(ブランディング)」「NGな世界観(ブランディング)」「キャッチフレーズ」などです。ここで最も気を付けたいのは「コンセプト」「1番の強み」「差別化」の策定です。商品・サービスが過剰状態にある今、「ありきたりにならないようにしながらも、しっかりニーズに応えている、かつ新しさがある」ことがとても重要です。

【Q4.】 どんなキーワードに女性は惹かれるのか?

業種・ターゲット・商品特性・ターゲット女性のライフコースにより惹かれるキーワードは異なるので回答が難しいのですが、考え方(概念)として次をご参考ください。

無関心化が進み、モノを買わない今の女性消費者には、単純に商品・サービスの特徴を伝えるだけではなく、「いかに感情を動かすか?」の視点で言葉やプロモーションを考えます。欧米諸国と比較すると日本のマーケティングでは感性価値型マーケティング(感情に訴求することで購買意欲を高めるマーケティング方法)が遅れていると言われていますが、最近になってようやく広がりを見せています。最近の動画サイトやTVCMでは、感情に訴求するもの(感動・笑い・共感など)が増えています。

感情訴求型のホームページや動画サイト、プロモーション、SNS企画は拡散されることが多く、広い周知に貢献します。では、どうすれば女性消費者の心を掴む言葉を考えられるのでしょう?ウーマンズでは次のように戦略を考えます。

  1. 「ターゲット女性がどのライフコースをたどっているか?」を確認
  2. そのライフコースならではの悩み・ニーズ・消費傾向を抽出
  3. 彼女たちが持つ「悩み・ニーズ・消費傾向」を言語化してホームページに掲載

美白・無添加を売りとする化粧品販売を例に考えてみましょう。「美白・無添加」というキーワードは商品特性であって、感情に訴求するキーワードではありません。同時に「美白・無添加」というキーワードをホームページ内で多用しても、競合他社も同じく美白・無添加商品を取り扱っていれば、女性消費者にとってそれは「よく見る・よく聞くキーワード」であって、「購入のための決定打になる言葉」ではありません。美白・無添加を売りとした化粧品販売を行っている場合、商品特性を訴求するのではなく、プラスアルファの付加価値をセットで訴求する必要があります。

どのようなキーワードなら女性消費者の心を掴めるのか?を考える際、「ライフコース視点で考える」「事実を伝えるキーワードではなく、感情に訴求するキーワードを考える」「他社との明確な違い(差別化)となるキーワードを考える」この3つを意識してみてください。次の書籍は「キーワード開発」のヒントが満載でおすすめです。

「ライフコース視点で考える」方法については以下の記事・レポートで詳細解説していますので、ご覧ください。ターゲット女性の理解を深める作業に役立ちます。

【Q5.】 ECサイトでのKPI設定の考え方は?

ECサイトでのKPI設定は、流入数、コンバージョンレート、1回購入あたりの売上などが一般的です。女性視点での仕掛けはさまざまですが、ECサイトの場合、「カテゴリの分け方」が大切な要素になります。

【Q6.】 女性向けと男性向けHPの工夫の違いは何?

女性マーケティング視点で考えた場合、女性向けホームページと男性向けホームページの工夫の違いは例えば次のようなものです。

  • 女性向けは、文字や解説よりもビジュアルがメイン
  • 理論・スペック・成分など数字が多いコンテンツは、簡易的なグラフや漫画などで分かりやすく伝えている
  • 専門家が好むような難しい言葉は避け、分かりやすい言葉をつかっている
  • 理屈ではなく感情に訴えている
  • 年代別ではなく、ライフコース別のターゲット設定がされている
  • 細部までの徹底した配慮が随所にちりばめられている
  • 読ませて理解させるのではなく、感覚的に理解させている
    など

働く女性が増えたことや、社会トレンド、風潮の変化、行政の取り組みなどにより、今は男性よりも特に女性の方に大きな価値観の変化が起きています。

ターゲット女性の価値観の変化を捉えていない一昔前の価値観に基づいたプロモーションやコンテンツは炎上を招きかねないため、女性向けのホームページを制作する際、企業側はターゲット女性の「今の価値観」を反映するべきでしょう。くれぐれも「女性といえばこうだろう!」というかつての価値観を反映したコンテンツやキーワードは使わないように。

【Q7.】年齢別の傾向とは?

ウーマンズでは20代~70代の女性を20クラスターに分類しており、こちらのクラスターをもとに戦略立案を行っています。クラスターごとの消費傾向や価値観、特徴については当サイトウーマンズラボ」で随時ご紹介しています。各クラスターの特徴に関して、簡易的な説明にはなりますが次の記事でご紹介しております。クラスター間で消費価値観はどのように異なるのか?基本概念をご理解頂けます。

【Q8.】移り変わる女性のインサイトを掴むためにすべきこととは?

ターゲット女性が読む・見る・投稿する媒体などの定点観測を続けるのは、インサイトを掴むのに役立ちます。ただし記事広告・フェイクニュース・ポイント還元を目的とした口コミ投稿やダウンロードがまぎれているため、それが本当にトレンドなのか?インサイトに結びつく情報なのか?は裏取りが必要になります。

他にも、行政が発行する白書がおすすめです。大規模調査が多いため消費傾向や価値観など全体像を把握するのに大変役立ちます。またインサイトを掴む・予測するためには、業界全体の動向・人口動態の変化・行政の取り組み・企業動向などの全体俯瞰力が必要です。これらも考慮した上で(=社会情勢の変化を考慮した上で)、ターゲット女性が今何に悩み、何を求め、何を嫌い、何を口コミするのか?将来に備えて何をしようとしているのか?などを予測できるようになります。また、同僚や友達、家族など、周りの女性たちとの日頃の会話からも、女性の本音が垣間見えることがあります。

ですが、日々移り変わる各クラスターの女性のインサイトを掴むためには、偏向なく多角的に大量の情報を収集・分析・検証する必要があり、簡単な作業ではありません。当サイトウーマンズラボ」では企業様に代わってさまざまな情報を収集・分析・検証し、その一部を毎日掲載しております。ぜひお役立てください。

【Q9.】アプリの傾向・押さえておくべきポイントは?

女性若年層のアプリ利用率は年々急激に増加しています。「何を目的とするのか?」により、「アプリ」「Webサイト」の両方を用意するのが良い場合と、いずれか片方のみで良い場合とに分かれます。女性マーケティング視点から考える最近の人気アプリの特徴としては、「短時間動画コンテンツ」「ゲーミフィケーション要素が強い」「匿名交流型」「直観的に理解・利用できる」「還元型」が挙げられます。

【Q10.】SNSとの連携・位置づけの考え方とは?

集客、リピーター獲得が必要であればSNSは有効です。ただし、お客様が欲しがる情報を発信し続ける必要があります。SNS活用に成功している企業は、平行してホームページを閲覧してもらえる施策をとっています。SNSはあくまでタイムラインの位置づけ、ホームページは詳しい内容や正式な情報を掲載する、という位置づけがベストです。

また、SNSは単純な情報発信ではなく、商品・サービスの世界観を見せる・伝える役割もあります。「ただ運営する」のではなく、SNSを運営することによりどのようなブランディングを目指すのか?をしっかり策定する必要があります。企業の人気アカウントでは、各社「色」があります。友達のような話しかけ方で親近感を持たせたり、癒し系キャラクターで小さな笑いと癒しを提供したり、会話のやりとりを楽しむことを提供するなど、人気アカウントは「色」が明確です。

【Q11.】女性向けオウンドメディアについて

「女性集客につながる・ブランディングにつながる・他社との差別化につながる」オウンドメディアの運営を始める際におすすめなのが以下の書籍です。集客・売上につながるオウンドメディア運営の基本を理解できます。

ウーマンズに頂くご相談の一つが、美容・健康のオウンドメディアを立ち上げるお手伝いです。その際、オウンドメディアのたたき台を拝見するのですが、共通して感じるのは「他社既存メディアとの差別化が全くない=このままの案で立ち上げても誰も見にきてくれないのでは…」ということです。

美容・健康のメディアは飽和状態にあるので特に差別化が難しくなりますが、成果につながるオウンドメディアを運営するためには「テーマ設定(差別化)」が最も大切です。例えば、次のようなテーマに絞ることで、競合との明確な差別化を打ち出しつつ、また消費者のニーズに応えることができます。成果につながりやすいメディア運営ができるのではないでしょうか。

  • 不動産業者が運営する物件紹介メディア⇒リノベしたオシャレ物件のみを掲載するサイトに絞った情報を掲載する
  • 自動車販売店が運営するメディア⇒車そのものを紹介するのではなく、ドライブで訪れたい観光地の情報を掲載する
  • エイジングケアに関するメディア⇒対象を更年期の女性に絞り、更年期に特化した情報を掲載する

サイトそのもののユーザビリティの改善・工夫や、サイト内の回遊設計、リピート訪問してもらうための仕掛け、サイトに誘導するための導線設計、文体、使用するイラストの系統など、制作視点からの工夫や戦略ばかりが重視されがちですが、女性マーケティング視点で考えた場合は、オウンドメディアの軸となる「テーマ設定」も同じく重視すべきです。

女性集客に強いホームページ制作・デザイン会社を選ぶときのコツ

では実際にホームページ制作を依頼する際、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。多くの制作会社と一緒にお仕事をしてきた中で弊社ウーマンズが思う、女性集客に強いホームページ制作・デザイン会社選定のコツをお伝えします。女性集客につながるホームページ制作ができるかどうか?はどの制作会社に依頼するかに依存する部分は大きく、実力ある制作会社だと、依頼者が伝えたイメージや意図をきちんと理解してくれるので、修正などのディレクション回数を大幅に減らせます。一方で実力不足の制作会社だと、依頼者が伝えたイメージや意図をなかなか理解してもらえず何度も修正依頼を出したり、細かな部分まで依頼者が考えなければならないなどの負担が増えてしまいます。女性集客に強いホームページ制作・デザイン会社を選ぶときは以下についてチェックしてみましょう。

  • 制作チームに女性デザイナーや女性スタッフがいる
  • 女性向けホームページ制作実績が豊富(女性向けホームページに特化している)
  • 女性向けホームページならではの言葉の表現方法やデザイン特性などを理解している
  • 制作前の「企画」の段階から提案を行ってくれる
  • 単純な制作だけでなく、ホームページを使ったマーケティング戦略まで考慮した設計を提案してくれる
  • 制作完了後も継続的なサポートを行ってくれる
  • ブランディングの重要性を理解している
  • 「指示待ち族」ではなく「積極的な提案」をしてくれる
    など

 

 

 

PAGE TOP
×