在宅と出社でどう違う? 心身の不調出現と健康意識・行動 女性20〜60代
11月はテレワーク月間。2015年に始まった啓発イベントで、関係府省庁などによる表彰イベント等が行われる。
コロナ5類移行後、出社回帰の動きが広がっているが、自身の状況に合わせて働く場所を選択できるスタイルを望む声は多い。企業の正社員に「希望する勤務スタイル」を聞いた調査では、在宅勤務と出社を組み合わせた「ハイブリット」が最多で41.5%、「出社」は38%、「在宅勤務」は19.7%だった(doda「リモートワーク・テレワークの実態調査」2023.10)。出社のメリットは社内での円滑なコミュニケーションや通勤・出社による気持ちの切り替えなど。在宅勤務のメリットは、家事・育児・介護や睡眠時間の確保など時間の束縛から比較的自由になれること。それぞれのメリットを享受できるハイブリット型を支持する声は、今後も止むことはなさそうだ。
さて、ハイブリッド型がこのまま定着すると見た場合、各社内での健康経営施策はどうなっていくのか?これまでは基本的に従業員の出社が前提とされてきたが、今後は「出社」「在宅勤務」「ハイブリッド」の属性別に施策を組み立てる視点が必要になってくるかもしれない。マーケティング支援事業のオノフ(東京・渋谷)が20〜60代の女性3,004人を対象に調査したところ、「在宅メイン」で仕事をしている人と「出社メイン」の人では、心身の不調の出現や、対策行動が異なることがわかった。
天気や季節による気分への影響、「出社」より「在宅」が受けやすい
「天気の変化や季節の変わり目によって、気分が良くも悪くも影響されることはあるか?」と聞いたところ、「すごく影響される方だと思う」「やや影響される方だと思う」と回答したのは、「出社メイン」より「在宅メイン」の人に多く、61.4%だった。
体調への影響も、「出社」より「在宅」が受けやすい
続いて「天気の変化や季節の変わり目によって、体調が良くも悪くも影響されることはあるか?」と聞いた質問では、「在宅メイン」「出社メイン」どちらも約6割だったが、「すごく影響されると思う」と回答したのは「在宅メイン」の方が多かった。心身ともに影響を受けやすいのは、「出社メイン」よりも「在宅メイン」であることが明らかになった。
在宅勤務は、仕事と休憩とプライベートの区別が曖昧になりやすいため気分転換がしづらく、ワークライフバランスをとりづらい。同社は、こういったストレスに加えて天気や季節の変化による体調変動が重なることが背景にあると見ている。
「在宅」と「出社」で異なる健康意識・行動
健康意識や健康行動も、「在宅メイン」と「出社メイン」では異なることがわかった。「不調の症状が起きないよう事前に対策していること」を聞いたところ、それぞれ異なる傾向が見られた。
「在宅メイン」の人は体を動かす機会が少ないことを意識しているからだろう、「適度な運動・ストレッチを行う」と回答した人が「出社メイン」より多く、10ポイント以上の開きがあった。また、1日の時間の使い方に比較的ゆとりがあり調整しやすいからか、「マッサージをする」「病院に行く」「整体やマッサージに行く」「入浴する」など、まとまった時間を要する健康行動を実践する人も「在宅メイン」に多かった。
一方で「出社メイン」は、体を”動かす”よりも”休める”ことを重視する傾向が強く、「睡眠をしっかりとる」「休息をとる」「リラックスできる時間を作る」と回答した人が、「在宅メイン」よりも多い結果に。出社や始業時間が明確に決まっているからか時間管理の意識も高く、「規則正しい生活」を心がけている人が「在宅メイン」よりも多かった。
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