森林でヘルスケア、女性のニーズは7割超え
直近1年で森林に行った女性は44.5%。およそ2人に1人が森林に出かけている計算だ。世界有数の森林大国である日本では、森林は日常生活に溶け込んだ身近な存在。ヘルスケアとの相性も良く、スポーツやメンタルケアの場所として森林を活用する人は多い。特に女性のニーズが強いことが、世論調査で分かった(内閣府「森林と生活に関する世論調査(2024.2)」18歳以上の男女1,624人)。
森林に行った目的は? 女性はリラックス、男性はスポーツ
直近1年で森林に行った373人の女性に「森林に行った目的」を聞いたところ、1位は「景観を楽しむ(58.2%)」。同程度に多いのは2位の「癒し効果でリフレッシュ(51.7%)」と3位の「のんびりする(49.9%)」で、心身のリラックスを求める女性が多い。
- 1位:すぐれた景観や風景を楽しむため…58.2%
- 2位:森林浴になり森林の癒し効果でリフレッシュするため…51.7%
- 3位:自然豊かなところでのんびりするため…49.9%
- 4位:キャンプやピクニックなどを楽しむため…19.6%
- 5位:登山やスキー、マウンテンバイクなど自然の中でスポーツを楽しむため…16.6%
- 6位:動植物の観察や渓流釣り、山菜・きのこ採りを楽しむため…14.5%
- 7位:アスレチックなどのアトラクションを楽しむため…8.0%
- 8位:森林に囲まれた環境にあるオフィスでの仕事やワーケーションのため…1.9%
- 9位:林業やガイドなど森林に関わる仕事をするため…0.8%
- 9位:植樹や間伐などの森林づくりのボランティア活動を行うため…0.8%
男女で比較すると、女性ならではのニーズがより鮮明に見えてくる。男女ともにトップ3の項目は同じだが、「癒し効果でリフレッシュ」と「のんびりする」は、男性より女性が10ポイント以上高く、女性の方がリラックス効果を期待する人が多い。反対に男性は女性よりもアクティブに過ごすことを目的にする傾向があり、「スポーツを楽しむ」は女性より7ポイント高い。
森林で何をしたい?女性は「健康づくり」7割
続いて、直近1年間で森林に行った女性と行っていない女性を合わせた839人に「日常生活において、森林で何をしたいか?」と聞いた。圧倒的に多かったのは「心身の健康づくり」で7割を占めた。
- 1位:心身の健康づくりのための森林内の散策やウォーキング…72.9%
- 2位:森林の中での音楽鑑賞や芸術鑑賞などの文化的活動…28.6%
- 3位:森林の中で自然を活用した保育・幼児教育…25.0%
- 4位:森林の中でのランニングや自転車による走行…22.2%
- 5位:森林の中でのヨガや瞑想…16.2%
- 6位:森林に囲まれた環境にあるオフィスでの仕事やワーケーション…11.7%
- 7位:企業や団体が行う森林の中での研修への参加…6.6%
- 8位:林業やガイドなど森林に関わる仕事…2.3%
男女別に見てみよう。ヘルスケアに限らず、芸術鑑賞や子どもの教育など、全体的に女性の方が森林を活用したコト体験に関心が高いことがわかる。
男女を比較して見えた主なファインディングスは以下。
- 心身の健康のために森林で散策やウォーキングをしたいのは、男性より女性(女性72.9%,男性66.9%)
- スポーツの中でも動的スポーツとなる「ランニングや自転車」は男性に多く(女性22.2%,男性26.9%)、静的スポーツである「ヨガや瞑想」は女性に多い(女性16.2%、男性5.0%)
- 森林の中で音楽や芸術を楽しみたいのは、男性より女性(女性28.6%、男性15.7%)
- 子どもの教育で森林を活用したいのは、男性より女性(女性25.0%、男性16.8%)
- 森林でのワーケーションニーズは、男女ともに1割程度(女性11.7%、男性12.4%)
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