【統計を読む】女性の最新の就業状況、解消する「M字カーブ」と顕著な「L字カーブ」
女性の就業率を年齢階級別にグラフで示した際に、アルファベットの「M」のような形になる現象を指す「M字カーブ」。多くの女性が、結婚・出産期にあたる30代で仕事から離れ、その後、育児が落ち着いた時期に再び働き始めるというライフコースが反映された、日本の女性の就業状況の特徴を示している。女性活躍推進、育児と仕事の両立支援の充実化、保育環境の整備などを背景に、近年は解消しつつある。
一方で、女性の労働力活用において未だ大きな課題となっているのが、「L字カーブ」。女性の正規雇用比率を年齢階級別にグラフ化した際に20代後半をピークに減少することから、L字を寝かせた形を描く。出産・育児を経ても働き続けるという生き方は女性にとって主流のライフコースとなったものの、雇用形態のスイッチは避けられい現状を示している。2024年の労働力調査の状況を見ると、正規雇用比率の最高は20代後半で60.3%に達するが、以降で急下降し、30代後半で半数以下にまで低下する。離職後の再就職や、正規雇用での家事・育児の両立が難しいことから、非正規雇用を選択する女性が多いと考えられる。
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