更年期不調に対する社会からのサポートを受けたいのは男性より女性、ニーズが強いのは「職場の環境整備」
\10月18日は世界メノポーズデー/
これまで遅々としていた更年期の認知や関心が、女性はもとより、男性の間でも着実に高まっている。メディアによる情報発信やソリューションの多様化が後押ししており、更年期に対する向き合い方は男女ともにポジティブに変化。同時に、社会にサポートを求める声も強まっており、幸年期マチュアライフ協会(東京・港)は、「更年期を社会で支える対策・制度化への対応が急務」と指摘している。
更年期の自覚は男女ともに3割、40代以降で急増
調査は今年2月に、30〜69歳の男女2,000人に実施(幸年期マチュアライフ協会)。更年期の自覚を尋ねたところ、自覚しているのは女性の方が多く、女性33.5%、男性27.6%だった(「すでに更年期に入っている」「更年期に入っているのかもしれない」「プレ更年期の状態だと思う」の計)。女性の年代別では、40代で更年期を確信している人は少なく、「更年期に入っているかもしれない」「プレ更年期の状態だと思う」と、曖昧な自覚。一方で、50代では「すでに更年期に入っている」と確信する人が急増。60代では「更年期は卒業した」が増える。
男女それぞれの「女性更年期」「男性更年期」への関心
「女性更年期」と「男性更年期」それぞれへの関心を聞いた質問では、「女性更年期」に対して関心のある女性は66.4%、男性は51.8%。「男性更年期」に関心のある女性は44.3%、男性50.3%だった。男女ともに、自身の性における更年期により関心があることが分かる。
更年期の自覚有無別にも集計しており、更年期かどうか自分でわからない「自覚不明」層と、まだ更年期の状態ではない、または更年期は卒業した「自覚なし」層は、男女ともに「自覚あり」層よりも更年期への関心は低かった。「自覚不明」層は、関心が低いために更年期症状に気づけていない可能性もある。
更年期に対する社会的サポート、男性より女性のニーズが強い
「社会から受けたい更年期不調に対するサポート」を尋ねた質問では、全体的に女性の方がサポートを求める傾向が強かった。中でも「自治体や一般企業、非営利団体によるセミナー(女性38.3%、男性35.2%)」「職場でのセミナー・研修実施(女性36.9%、男性28.1%)」「職場で相談しやすい・話しやすい環境(女性30.4%、男性16.8%)」を希望する女性が多く、職場での環境整備にニーズがあることが分かる。限定的ではあるが、「学校教育の中での勉強・保護者向けセミナー(女性18.7%、男性12.3%)」「不調を改善する運動や趣味のコミュニティ・経験者同士が話せる環境(女性18.7%、男性9.9%)」も一定割合が回答しており、自治体や企業、職場から学校まで、社会全体で幅広く更年期対策や環境整備を望む声が見られた。
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