国内初、更年期のオンライン診療による治療効果を調査 8割が3ヶ月以内に改善
更年期専門のオンライン診療「Vivalle/ビバエル」を運営するHerLifeLab(沖縄・国頭)が、サービスを利用する女性の診療データを分析し、更年期治療の効果を調べた。オンライン診療による更年期治療の効果を調査したのは、国内初(同社調べ)。
調査は、サービスの利用者55名を対象に実施。同社では漢方またはHRTによる投薬治療を行っており、オンライン診療受診前と治療開始3ヶ月後の更年期簡易指数(SMIスコア)を比較したところ、82%の女性でスコアの減少が確認された。特にHRTによる効果が大きく、89%の女性のスコアが改善した。
具体的には何の症状で改善が見られたのか?問診票による回答を症状別に集計したところ、身体症状と精神症状のいずれも、ほぼ全項目において高い改善が見られた。中でも改善率が高かったのは、「汗をかきやすい」「くよくよしたり、憂鬱になることがある」「怒りやすく、すぐイライラする」「腰や手足が冷えやすい」「顔がほてる」だった。
この結果について同社に取材したところ、「治療効果は高いと見ている」とし、その理由として「心身両方を重視したアプローチ」を挙げた。同サービスでは医師が診療にあたるだけでなく、看護カウンセリングを通じた精神面へのアプローチも同時に行っている。看護カウンセリングとは、医療従事者が患者の心理的・社会的サポートを個別にアドバイスするもので、一般的な更年期診療における実施は稀だという。ヒアリング項目は症状や体調、人間関係や仕事、食生活など多岐にわたり、更年期を境に変化する心身への適応術や、症状を緩和するための生活スタイルや価値観の再構築に向け、食事・運動・睡眠面でのアドバイスや生活習慣改善プログラムの作成、認知行動療法などを行う。更年期症状は、身体的要因・社会的要因・心理的要因が複雑に絡み合っている上に、症状も解決策も百人百様。一人ひとりに合ったサポートが必要とされていることから、看護カウンセリングを重視しているという。
結果を踏まえ同社代表のエリセーバ・オリガ氏は、次のように述べている。
「この調査結果は、更年期症状に悩む多くの女性たちに希望を与えるものです。薬とカウンセリングを組み合わせた適切な治療により、症状改善が期待できることが明確になりました。更年期の症状は複雑なので、医療従事者でさえ論理的に説明することが難しいこともあり、不安に思う女性たちは少なくありません。ビバエルはそんな時に女性たちの頼れる場所でこれからもありたいと考えています」
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