「健康経営銘柄」と「健康経営優良法人」の違い

混同されがちな「健康経営銘柄」と「健康経営優良法人」の違いについてまとめた。

健康経営優良法人認定制度とは

健康経営優良法人を認定する健康経営優良法人認定制度とは、健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度で、健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目的としている。

中小規模の企業や医療法人を対象とした「中小規模法人部門」と、規模の大きい企業や医療法人を対象とした「大規模法人部門」の2つの部門に分け、それぞれの部門で「健康経営優良法人」を認定する。

「健康経営銘柄」と「健康経営優良法人」の違い

健康経営優良法人の初回選定(2017年)より早く始まったのが健康経営銘柄の選定で、第1回目は2015年、今年で4回目となる。こちらは選定企業の数が少ないためハードルが非常に高い。第1回目は22社、第2回目は25社、第3回目は24社のみ。一方、健康経営優良法人は選定数が多く、2017年は、大規模法人部門に235法人、中小規模法人部門に95法人が認定されている。

いずれも、秋に経産省より実施される「健康経営度調査(従業員の健康管理に関する取り組みやその成果を把握するためのアンケート調査)」に回答した法人のみが申請できる。

【画像】経済産業省

健康経営銘柄

健康経営銘柄に選定されるためには、次の条件を満たしている必要がある。健康経営優良法人との最大の違いは「東京証券取引所上場会社」であることだ。

  • 東京証券取引所上場会社である
  • 事前に経済産業省が実施する「健康経営度調査」に回答している
  • 回答結果を元に、健康経営度が上位20%に入り、かつ、必須項目をすべて満たしている
  • 東証が財務指標による一定のスクリーニング等を行い、選定

【画像】経済産業省

健康経営優良法人

健康経営銘柄へのチャンレジが難しい法人でも申請しやすいのが健康経営優良法人。申請までは次のようなステップを踏む。以下は大規模法人部門のケース。

  • 事前に経済産業省が実施する「健康経営度調査」に回答
  • 健康経営度調査への回答後、結果サマリー(フィードバックシート)が返却される。その中で「認定基準に適合」と判定され、さらに健康経営度が上位50%に該当していれば、申請資格を得られる
  • 必要事項を記載し、加入する保険者に提出(申請)する
  • 健康経営優良法人2021(大規模法人部門)認定要件
    健康経営優良法人2021(中小規模法人部門)認定要件

【画像】経済産業省

健康経営を目指すなら知っておきたい、健康スコアリング

健康経営に積極的に取り組む企業が増える中、今新たに注目されているのが従業員の健康状態など「現状の見える化」を実現する「健康スコアリング」。詳細は以下記事で解説しているのであわせてチェックしておこう。

2019年から追加された「女性の健康」

2019年からは、健康経営銘柄の選定基準に「女性の健康」に関する取り組みの項目が追加された。これにより、2019年から一気に「働く女性の健康」への注目度があがり、本格的に社内の女性の健康に取り組む企業が増加している。

健康経営は企業の成長戦略

健康経営銘柄や健康経営優良法人に認定されると、従業員の健康力が向上し生産性が上がるのはもちろんのこと、社外へのアピールを通じて優良な人材の確保、メディア露出の機会が増える、取引先へのPR、投資家からの評価を得るなど多くのメリットも生まれる。健康経営は、これから企業が生き延びていくめの重要な成長戦略の一つだ。

 

 

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