ソーシャルジェットラグが肌へ悪影響、10〜20代女性へのアンケートと睡眠介入試験で明らかに

平日の睡眠不足を補うために週末に寝溜めするのは、体内時計を狂わせるため体に負担がかかることはよく知られているが、それだけに留まらず、肌への悪影響もあるようだ。コーセーが、肌の毛穴の目立ちや顔の赤みが「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ぼけ)」によって引き起こされることを明らかにした。

ソーシャルドラッグとは、睡眠時刻のズレで生じる体内時計の乱れのことで、週末だけ夜更かししてしまうなどの睡眠習慣が該当する。ドイツの時間生物学者Till Roenneberg教授が2006年に提唱した概念で、近年、ソーシャルジェットラグによる心理的不調のほか、肥満や生活習慣病などの身体への影響も明らかにされている。そこで同社は、平日と休日の睡眠の中央時刻の差をソーシャルジェットラグとし、その肌への影響を明らかにすることにした。

研究では、10~20代の日本人女性67名を対象に、睡眠習慣と肌悩みのアンケート調査を実施。過去1カ月間の平日と休日の睡眠スケジュールからソーシャルジェットラグの大きさ(平日と休日の睡眠時間の中央時刻の差)を算出し、その大きさに応じて「1時間未満」「1時間以上2時間未満」「2時間以上」の3つの群に分類し、その後、21項目の肌悩みを感じている人の割合を集計した。その結果、ソーシャルジェットラグが1時間以上の生活を送る人は、特に「毛穴の目立ち」や「顔の赤み」に悩んでいることがわかった。

ソーシャルジェットラグと肌悩みに関するアンケート結果

【出典】コーセー

 

次に、実際にソーシャルジェットラグを模した睡眠介入試験により、肌への影響を評価した。被験者の普段の生活リズムにならって、おおむね決まった時間で就寝・起床してもらいながら、週2日間のみ就寝・起床時間を2時間遅らせる睡眠介入を2週間続け、介入前の7日目、2週間の介入後の16日目、介入終了から3日後の19日目に顔の肌測定などを行い、ソーシャルジェットラグが肌に及ぼす影響を評価した。その結果、毛穴の目立ちと顔の赤みの増加が確認され、事前のアンケート結果でわかった肌悩みとも合致したことから、ソーシャルドラッグは、毛穴の目立ちや顔の赤みといった肌に望ましくない影響を及ぼすことがわかった。

ソーシャルジェットラグと肌悩みに関するアンケート結果

【出典】コーセー

 

今回の研究結果を踏まえ同社は、肌を健やかに保つためには、十分な睡眠時間だけではなく規則的な睡眠習慣も望ましいことが示唆されたとし、今後の商品・サービスの開発に応用していくとしている。

 

 

 

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