高齢者の拒否的な態度や感情の起伏が課題に、福祉従事者の現場での困りごと
福祉サービスの人手不足と要介護者数の増加が深刻化するなか、サービス利用者の身体的ケアのみならず、精神的ケアの重要性も高まっている。福祉心理学資格の認定を行う日本インストラクター技術協会(東京・千代田)が、福祉従事者を対象に調査を実施したところ、現場では、サービス利用者の態度や感情の起伏への対応が課題となっていることがわかった。
福祉従事者が最も困るのは、利用者の「拒否的な態度」
高齢者に関わる福祉に従事している20〜60代の男女108名に、「現場での利用者との関わりにおいて、心理面で困ることはあるか?」と質問したところ、利用者のネガティブな態度や気分の変化などが上位に(複数回答)。最多は「拒否的な態度への対応」で約半数に上った。
- 1位:拒否的な態度への対応(53人)
- 2位:気分の波が激しい方への対応(48人)
- 3位:怒りを出しやすい方への対応(48人)
- 4位:過度な要求への対応(41人)
- 5位:本人の意思や要望の理解が難しい(35人)
- 6位:家族間の関係調整(34人)
- 7位:帰宅願望への対応(25人)
- 8位:非言語コミュニケーションの理解が難しい(18人)
- 8位:うつ状態の方への対応(18人)
- 10位:その他(2人)
現場で必要だと感じるスキルは「高齢者特有の心理変化の理解」
続いて「福祉の現場で特に必要だと感じる知識・スキルは何か?(複数回答)」と聞いたところ、最多は「高齢者特有の心理変化の理解」で53人、次いで「心理的安定を促す環境づくり」で52人が回答した。
- 1位:高齢者特有の心理変化の理解(53人)
- 2位:心理的安定を促す環境づくり(52人)
- 3位:わかりやすい説明の仕方(43人)
- 4位:傾聴の技法(40人)
- 5位:ストレスケアの方法(39人)
- 6位:非言語コミュニケーションの読み取り方(37人)
- 7位:家族関係の調整方法(32人)
- 8位:不安やうつ状態への対応(31人)
- 9位:緊急時の心理的サポート方法(27人)
- 10位:その他(2人)
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