世相を反映 「昭和」から「平成」で変化するエンゲル係数の内訳

消費支出全体に占める食料支出の割合(%)を意味するエンゲル係数。その内訳の特徴は、昭和から平成へと時代が移る中で大きく変化している。総務省統計局がまとめている「エンゲル係数の内訳の推移(1980年〜2017年)」を見てみよう。

食料支出は「素材食料」から「外食」「調理食品」へ

下の図は、1980年以降のエンゲル係数の内訳の推移を示したもの。1980年代初めは、世帯の食料支出は「魚介類」、「穀類」、「野菜・海藻」、「肉類」といった素材食料が中心で、店舗で食材を買ってきて自宅で料理を作るという食スタイルが一般的であった様子が見えてくる。その後、現在に至るまでは「一般外食」の支出が増加し、世帯の食料支出の最大額を占めている。そしてもう一つの特徴的な変化が、「調理食品」の支出の急速な増加。これは、デパ地下やスーパー、コンビニで売られる惣菜や弁当、冷凍食品などで、外食と合わせて食料支出の多くを占めている。

背景は女性の社会進出

食料支出の大部分が素材食料であった昭和から一変、平成に入り外食と調理食品の支出が増加した理由は、食料品の充実はもちろん、働く女性の増加が関係していると言えるだろう。1980年代といえば既婚女性の多くが専業主婦だった時代。素材食料を購入して自宅で料理を作る時間が十分にあった時代だ。しかし女性の社会進出の本格化とともに、結婚をしても働き続ける女性や、子どもの成長を機に復職する女性が増え、女性が料理を含めた家事にかけられる時間は相対的に減ってきた。外食や調理食品へのニーズが高まり始めた大きな要因だ。

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