食品業界のトレンドキーワード6(2019年)

食材・飲料品の市場分析により、食品業界のトレンド6項目がグローバル市場調査会社ミンテルにより発表された。各項目を見てみると、食品業界のトレンドのポイントは「伝統」「ヘルスケア」「エコ」「時短・効率」「健康リテラシーの向上」。世界的な健康志向や時短ニーズの高まりで、今後キーワードとして覚えておきたい。

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食のトレンド1「伝統の復活」

キヌア、キビ、スペルト小麦などの古代穀物(日本では「雑穀」にあたる)は栄養価が高く美容や健康に良いことから、米国を中心に国内でも度々メディアに取り上げられトレンドになっているが、各古代穀物が「一つ一つ注目されては消える」という流れから、「古代食」「伝統食」というくくりで日常食へと定着させるための商品・サービスが誕生しそうだ。

具体的には、古代食レシピ、伝統や文化を重んじた食生活やライフスタイルの提案など。伝統食と相性の良い地方の料理も注目されるだろう。古代食・伝統食は、一過性のトレンドではなく、どこのスーパーにも陳列される一般的な食形態になるかもしれない。

食のトレンド2「ベジタリアンの強化」

ベジタリアンと言っても、動物性たんぱく質を一切食べない「ヴィーガン」、果物・ナッツ類・野菜だけを食べる「フルータリアン」、卵・乳製品は食べる「ラクト・オボ・ベジタリアン」、魚介類は食べる「ペスコ・ベジタリアン」など種類は様々あるが、これからは、厳格にこれらのルールを守る「菜食主義者(ベジタリアン)」というよりは、美容や健康のために「野菜を多めに食べる」という志向の「ソフトな菜食主義者」が増えていきそう。

近年、「Healthonism(享楽的健康)」と言うべきトレンドがあります。これまで健康・ヘルスケアというと、菜食主義やマクロビなど、ストイックなイメージがありました。しかし、この1~2年、その反動が来ており、健康は何かを犠牲にするものではないという考え方が広がっています。野菜や果物の栄養を美味しくカジュアルに摂取する「コールドプレスジュース」も、その流れにあるものだと言えます。(引用:事業構想「食ビジネスの次のトレンド『TheFuture100』で読み解く」)

健康ブームの中、食への意識は確実に高まっており、さらに国内においては機能性表示食品も増えてきている。穀物や野菜、果物類の健康効果が再度見直されることが大きな後押しとなっていくと考えられる。レストランなどの飲食店でこのトレンドを活かすとしたら「野菜たっぷり」のメニューは必然と言える。ジャーサラダやサラダ専門店の相次ぐ出店に見られるように、今女性たちの間でサラダはおしゃれアイテムとしても浸透している。野菜メニューが少ない飲食店は、女性からの支持は得づらいだろう。2018年に一気に話題となった植物でつくられた「フェイクミート」の登場もベジタリアンの増加を後押ししそうだ。

食のトレンド3「食品廃棄物の排除」

食品ロスは、世界規模で考えるべき大きな社会問題。日本の場合、食品ロスは年間632万トン。全世界の食糧援助量の約2倍という驚くべき数字だ。年々、企業や団体による食品ロスを減らす試みが活発になると同時に生活者の意識も高まっている。

個人レベルだけでなく、行政レベルでエコやサステナブルな取り組みへの意識が高まっているニューヨーク。レストランやバーが食料廃棄削減に取り組んだり、プラスチック製ストローをやめて紙ストローを使用したりとその潮流は拡大中だ。

最近のサステナブルな動きのなかで、とくに注目したいのが、ブルックリン初のパッケージフリー&ゼロ廃棄を掲げたグロッサリーストア「プリサイクル(Precycle)」。この店のシステムで特徴的なのは、量り売りというスタイル。(略)

ここでは、客が瓶やタッパーウェア、布袋などを持参することでパッケージフリーを実現させている。(略)倉庫のように広い店内にはディスペンサーがずらりと並んでいて、ナッツや豆、穀類、粉類、パスタ、オイル、ビネガー、洗剤類までが、自分の欲しい分だけを購入できるようになっている。普通のスーパーなら無意識に食品を買い物カゴに入れていることも多いが、ここでは意識をもって買い物ができるから、食品を無駄にしてしまうことも少ない、という利点もあり!(引用:ELLE「ニューヨーク・ブルックリンに、パッケージフリーの食材店が誕生!」)

日本国内企業の食品ロス問題に対する取り組み事例は以下記事で紹介。食品ロス問題に対する生活者の意識が高まっている今後は、「美味しい」だけでなく、「美容や健康に良い」だけでもなく、「食品ロス問題に貢献している」という3拍子揃った商品が、女性たちの新たな「購入基準」になるだろう。

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食のトレンド4「食品エッセンスの時代」

マルチタスクライフスタイルを過ごす現代人にとって時間は最重要課目。新鮮で栄養価が高く、便利なフォーマットで完全な栄養を提供する「バイオハッキング」な食品に開発が進む。 製品の入手、準備、消費に必要な時間がセールスポイントになり得る製品も登場。(引用:美容経済新聞

一日のタスクが多く毎日が大忙しの現代人。そんな中健康意識が高まれば、運動に取り組んだり、食に気を使ったり、半身浴を日課にしたりと毎日はさらに大忙しになる。「忙しいけれどきちんと健康をコントロールしたい」ニーズは今後さらに高まる。それらのニーズに応え、人気になっているのは例えば以下だ。

  • ミールキット
  • デリバリーサービスの充実(例:ウーバーイーツ)
  • 冷凍食品、総菜、レトルト食品
  • キッチンカー
  • 完全食(例:COMP

2018年には「ヘルスパフォーマンス」という言葉が登場し、今後はヘルスパフォーマンスが高い食品が求められるだろう。

ヘルスパフォーマンスとは
時短とコスパを意識しつつ、栄養を配慮した食事を作りたい。でも栄養バランスの良い食事作りは時間がかかる-。こんなジレンマを抱える現代の主婦たちから生まれたニーズが「効率良く栄養バランスを整えたい」「効率良く栄養素を摂取したい」。生活者の意識・実態を調査する「トレンド総研」は主婦を対象にした調査からこのニーズを発見し、栄養素を無駄なく・効率良く摂るキーワードとして、「ヘルスパフォーマンス」を家庭での新調理トレンドと発表した。「ヘルスパフォーマンス」の良い商品・サービス、「ヘルスパフォーマンス」を上げる情報が、主婦たちに今求められている。(引用:ウーマンズラボ「家庭内の新調理トレンド「ヘルスパフォーマンス」」)

食のトレンド5「ナイトシフト」

忙しい現代人の間では就寝時間に、眠っているだけではもったいない!」という概念が生まれ始めている。その一つが、寝ている間に体調を整える食品へのニーズ。近年、睡眠市場が活況となっていることも後押しとなり、新しい訴求方法になりそうだ。実際に近年「寝ながらヘルスケア」関連の商品は女性たちの間で人気になっている。

食のトレンド6「低所得層への健康食推奨」

以前、厚生労働省が「所得が低い人ほど不健康」と発表したことでSNSで大きな話題となったが、所得が低いと、節約のために満腹になりやすい炭水化物に偏り野菜が不足したり、金銭的な理由で健診を受けたくても受けられない、適切な情報を得られない、などの問題はどうしても出てくる。

健康ブームの今、健康リテラシーの格差は今後さらに広まることが予想されるが、そこに着目した商品やサービスが誕生すれば、大きな話題を集められるだろう。ただし、健康行動は健康リテラシーがあってこそ。低所得層ほど健康リテラシーが低いことは知られているが「どうやってターゲット層のリテラシーを高めるべきか?」はセットで考えたい。

2019年の食品業界のトレンドを理解する

近年、食品市場の中でも存在感を増しているのが「中食」。単身世帯、共働き世帯、高齢者が増えたことで個食化が進み、食スタイルがここ数年で大きく変化。働くママを中心に需要は拡大しているも、まだまだ企業は中食ニーズに十分に応えることができておらず、女性たちの不満は解消されないままだ。2019年はさらなる魅力的な中食の登場が期待される。

他、2019年の食品業界のトレンドとしてチェックしておきたいのは、ホットペッパーグルメ外食総研・エヴァンジェリスト「竹田クニさん」による予想。

(1)しっかりとした素材感を大切にする傾向が加速する
本物志向の傾向が続くと考えます。高級食パン、ベーカリーのほか、例えば「卵サンド」は分厚い卵を挟んだ素材感と食べ応えのあるものが人気です。(略)

(2)「ポータグルメ」市場が伸びる
デリバリー、テイクアウトが伸びています。またキッチンカーや人気店が作った弁当なども伸びています。外食ならではの美味しさ(グルメ)を、自宅や職場、あるいは公園やイベント会場などでも楽しむことができる(ポータブル)……、これを我々は「ポータグルメ」と呼んでいます。(略)

(3)軽食ニーズが好調
「軽食」とは、ファーストフード、うどん・そば・ラーメン専業店(立ち食い含む)、牛丼、カレーなど専業店、喫茶店・カフェなどを指しますが、「ホットペッパーグルメ外食総研」の「外食市場調査」では、こうした「軽食」業態が伸びていることがわかっています。
引用:Foodist「竹田クニ氏が読み解く2019年の外食トレンド。飲食業界の潮流からグルメキーワードまでを解説」

 

 

 

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