ラグジュアリーブランドの「家ナカ」提案はやっぱりラグジュアリー 女性の心躍らせる2社の取組み

GWが終わり、そして多くの地域で緊急事態宣言が解除されたことで国内はどこか自粛緩和ムードだが、世界全体で見ると新型コロナによる死者は31万人を超え、増加ペースは落ちていない(5月16日時点,米ジョンズ・ホプキンス大学集計)。先行して社会活動を再開した中国、韓国では第二波の懸念がすでに高まっており、やはり当面は「徹底したwithコロナ」を前提とした事業活動が求められる。

withコロナ時代の中でどのようなマーケティングができるのか今後各社が模索することになり、当メディアウーマンズラボでも、参考になるマーケ事例を定期的にご紹介していきたい。今回は、ラグジュアリーブランド2社のラグジュアリーな取組みをピックアップ。

ラグジュアリーな間違い探し(ディオール)

「ラグジュアリーな気分になりたい」「いつもとは違う空間の中で優雅な時間を過ごしたい」「自分の好きな場所でリフレッシュ・リラックしたい」「おしゃれなファッションに身を包み、洗練された場所で癒されたい」ー。そんな女性たちの気持ちを叶えるのが、例えば、高級レストラン、ホテルランチ、ラグジュアリーブランドショップ、百貨店、美術館などだが、コロナ禍で女性たちの足はすっかり遠のいてしまった。

そこでディオールが提供しているのがこちら

皆様がおうちで過ごす時間をできるだけ楽しくお過ごしいただけるよう、ディオールは、まるで夢の中に迷い込んだかのように時間を忘れて遊べるオリジナルゲームとアクティビティをご用意しました。引用:DIOR「Dior Distractions」

具体的には「70年以上に及ぶ創作の変遷を紹介する動画」「記憶ゲーム」「間違い探し」「塗り絵」の4つ。例えば「間違い探し」をご覧頂きたい。一般的に多くの人がイメージする、“子ども向けのイラストが描かれた間違い探し”とはレベルが違う。家ナカにいても“ラグジュアリー体験”を提供できるは、さすがディオール。家ナカ時間の提案方法はクリエイティビティに満ち、世界観もラグジュアリー。

以下、同社のInstagramでは「DIOR SPA AT HOME with @diorskincare」「Stay home with @diorskincare」と題した投稿が続いている。いずれも動画(ぜひチェックを!)。

家ナカで過ごす時間が長くてもメイクしたくなる(シャネル)

シャネルは自社のラグジュアリー商品を武器に、家ナカの優雅な過ごし方を提案。商品紹介ページはコロナ禍で変化した生活を踏まえた作り込みだが、そこはやはりラグジュアリーブランド。「家ナカ」「コロナ疲れ」「巣ごもり」「テレワーク」といった、コロナ禍をダイレクトに表現する言葉は徹底して避け、”女性的” で “美容的”な言葉で表現。コロナ疲れとストレスがフッと消え、優雅さと気品を取り戻せるような気持ちにさせてくれる世界観だ。

実際に見てみよう。サイトには「Mademoiselle stays home」の言葉とともに以下のメッセージが並ぶ。

  • 肌も心も健やかにするベッドタイム前の習慣は、ストレスの多い時には特に大切です。日中の肌は乾燥しがちだけれど、毎晩眠りにつく前に肌にうるおいをたっぷり与えれば、夜の間に補われて回復します。朝目覚める時には、やわらかく、ふっくらとなめらかな肌へ。
  • 時には日中にもリセットをして、心身ともにベストな状態を取り戻したい。クイックに、乾いた肌をうるおわせ、肌を明るくタッチアップ、鮮やかなリップカラーをのせれば、見た目も心もチャージ完了。
  • 朝のルーティーンは、簡単に手早く。家で過ごす日のシンプルなスキンケアとメークアップ ルーティーンは、明るい目もと、つややかな肌、そして輝く唇の、フレッシュなルックで1日をスタートさせましょう。
    引用:CHANEL「Mademoiselle stays home」

以下は同社のInstagramで「Mademoiselle stays home」と題した投稿。

女性の家ナカ行動、提案次第では促せる

家ナカで過ごす時間が長いと、女性たちはメイク、ヘアセットの頻度は平時と比較して格段に落ちてしまうが、提案次第では、家ナカでも女性たちのメイクやヘアセット、おしゃれな洋服といった行動を促すことはできそうだ。

上記2社の動画や世界観に触れ、「外出がすっかり減ったけど、たまには家ナカでもオシャレしようかな」「女子力アップしたい」といったワクワクした気持ちに包まれた女性は多いはず。

当社が実施した調査「“withコロナ時代” の女性の日常 家ナカの行動・ニーズ・価値観はどう変化した?」で、76歳の女性は次のように回答していた。

「自宅にこもることが多くなり、今のところおしゃれをする機会が減ったので、自宅で自分ひとりでおしゃれを楽しんでいる。新しく購入した洋服を着て、ファンデーションを塗って、家で一人でお茶を飲む」

 

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