女性たちの反応は?酒類大手、アルコールをグラム表示

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アサヒ、サントリー、キリンなど酒類大手各社が、酎ハイやビールなど酒類商品のアルコールをグラム量でウェブサイトに開示する取組みを始める。企業側はグラム表示による消費者の”飲み控え”の懸念があるが、消費者側からはこの取り組みを評価する声が多く上がっている。

アルコールによる健康障害は男性より女性に注意が必要であることから、適切な飲酒量は、特に女性たちにとって日頃から気になっていたトピック。各社のこの取り組みに、女性たちはどう反応している?

女性に多い「適切な飲酒量わからない」

厚生労働省によると、生活習慣病のリスクを高める飲酒量は、成人女性の場合は純アルコールが20g以上、成人男性は40g以上。つまり、女性なら20g以下が適切な飲酒量となる。

では、これを具体的なお酒で考えると、焼酎、清酒、ビール、ウイスキー・ブランデー、ワイン、それぞれにどれ位の純アルコール量が含まれているのか?参考:厚生労働省

  • 焼酎(1合180ml)…50g
  • 清酒(1合180ml)…22g
  • ビール(中瓶1本500ml)…20g
  • ウイスキー・ブランデー(ダブル60ml)…20g
  • ワイン(1杯120ml)…12g

健康雑誌やテレビの健康番組などで、この目安量をなんとなく見聞きしたことがある人は多いだろう。だが、いざ聞かれると、数字をきちんと答えられる人はそう多くない。特に女性にその傾向があり、東京都が行なった調査によると、1回あたりの適切な飲酒量を答えられた人は男性63%・女性38%で、女性の方が少ないことがわかった健康と保健医療に関する世論調査(東京都生活文化局,H29

飲酒量=純アルコール量ではない上にお酒の種類によって適切な飲酒量が異なるため、目安量を覚えづらく、そして計算しづらい。適切な摂取量というものがあることは知っていても、実際の生活の中では活用できていないのが現状だ。

飲酒量の注意が必要なのは女性

飲酒による健康障害は、なぜ男性より女性が気をつけるべきなのか?理由は女性には主に次のリスクがあるからだ。

  1. 血中アルコール濃度が高くなりやすい
  2. 乳がんや胎児性アルコール症候群などの女性特有の疾患のリスクを増大させる
  3. 早期に肝硬変やアルコール依存症になりやすい

その他、骨粗鬆症や乳がんとの関係も指摘されている。生活習慣病のリスクが高まる飲酒量は、女性の場合は「一日の純アルコール摂取量20g以上」とされているが、リスクの少ない飲酒量を考えるのであれば「10g程度」と推奨されている。参考:eヘルスネット,厚労省

なお、女性の飲酒量を年代別に見た場合、注意が必要なのは40〜50代。「生活習慣病のリスクが高まる飲酒量を摂取している割合」を示したデータを見ると、このアラフィフクライシス世代でその割合が高くなる。この世代は加齢や更年期による身体的症状に加え、自分の老後、親の介護、子育てなど考えるべきことが一気に降りかかる世代。ストレスが多いことが飲酒量と関係しているのかもしれない。

グラム表示、「良い取り組み」

今月、酒類大手各社がウェブサイトに純アルコール量のグラム表示を始めることが各メディアで報じられると、女性たちからは一律ポジティブな声がネット上に上がった。中には、今回の報道で初めて適切な飲酒量を知ったという声も。

  • 素晴らしい!缶本体にもぜひ記載してほしい
  • 酒飲みの自分にはありがたい。これまでは都度アルコール量を自分で計算してた
  • 自分で計算して飲酒する人って、あまりいないのでは?g表示は良い取り組み
  • ようやくか
  • アルコールをどれだけ摂取したのか?がわかる、わかりやすい単位がほしいと思ってた
  • 女性は20gなのね
  • ビール350ml缶2缶で適正量を上回るの?20gって結構少ないんだね…
  • ウェブサイトに開示するだけじゃなく、缶に明記した方が確実に飲酒量の抑止力があるのでは。メーカー側は売上減を懸念しているんだろうけど

どうなる?女性の飲酒行動

今のところグラム表示はウェブサイト上のみ。商品本体への記載はないので、確認するには都度ウェブサイトにアクセスしなくてはいけない。スーパーやコンビニで買い物の度に、商品棚の前でスマホを取り出してネットにアクセスするのは少々面倒で不便。

スマホを持っていない、あるいはネットを使わない高齢者であれば、その不便はなおさら。ウェブサイトまでわざわざ確認しにいくのは、ネットユーザーかつ健康意識がかなり高い人(または飲酒量の調整が必要な人)に限定されるだろうが、いずれであっても、純アルコール量の”多い・少ない”の感覚を掴めるようになる女性は今より格段に増えていくはずだ。年齢、健康状態、生活環境など様々な要因を背景に、飲酒行動の変化は各クラスターで見られるようになるだろう。

さて、これから女性たちは何派に移行していくか?「カロリー計算のように飲酒量を確認するコントロール派」?それとも「ノンアル派」?「低アルコール派」?

 

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