【ライフコースを理解する】子なし女性・DINKs層のマーケティング施策で気をつけること

(最終更新:2018年9月14日)
働く女性が増えライフコースの多様化が急速に進む今、「子を持つ・持たない」の選択は女性にとって大きな関心事となった。一方で、「子のいない女性」という新しい存在へのアプローチに慣れていない企業は多い。彼女たちへのアプローチで気をつけるべきこととは?

子を持たない選択をする女性増加

子を持つ・持たないを決定づける要素には、世帯年収など経済状態も関係してくるが、それよりも大きく影響しているのは、働く女性の増加により自分の人生を自由にコントロールできる女性が増えた事だ。人生の自由度が上がったことで、子を持たない選択をする女性は増えている。

しかし、子を授かることができなかった女性含め「子を持たない選択」をした女性の中には、どこか後ろめたい気持ちや罪悪感、「いつかはこの選択に後悔するのではないか」という不安、子供のいる家族と自分の間にある見えない壁、などを感じる女性もいる。実際に子を持たない選択をした女性の生き方や発言は何かとメディアに取り上げられ女性の間で大きな話題を呼ぶことが多く、子を産まない女性がマイノリティであることを象徴している。

「30~40代女性=子育て世帯」の固定概念は古い

未婚化・晩婚化・晩産化が急速に進み始めたのは長い歴史から見るとごく最近のこと。「産まない選択をした女性」は社会にとっては新しい存在だ。周囲に少々の違和感を感じさせるのは当然といえば当然なのかもしれないが、国をあげた「女性の活躍推進」もあり経済力を身につける女性が今後さらに増えていくことを考えると、出産に前向きになる女性が増える一方で、未婚女性や結婚をしても子を持たない選択をする女性も増えていくはずだ。そうなると、子を持たない人生を歩む女性の存在は「特別」ではなく「普通」になっていく。

そんな時代の到来に備え社会や企業は、産まない選択をした女性を特別視しない「空気」を今から少しずつ醸成していくべきだろう。例えば以下のような課題の解消が求められる。働く女性の支援と言えば何かと「ママ世代」が注目されがちだが、実はその影では「子を持たない選択をした女性」が苦痛を感じていることも理解しておきたい。

  • 社内の「産休・育休を取る女性」と「産休・育休のない女性」の間に生じる相互の無理解
  • 子を持たない選択をした女性を色眼鏡で見て「なんで?どうして?」と質問攻撃(※)
  • 子を持たないイコール性格がきつい、というネガティブなレッテル(※)
  • 子を持つ人あるいは持つことを選択した人が、子を持たない女性に対し、「子は持つべき」「子を持つことは素晴らしい」と意見を押し付ける
  • 「30〜40代の女性イコール子育て世代」と、イメージ先行で決めつけたマーケティング

(※)ネット上では「子を持たない選択をすると、周りから白い目で見られる」「子どもはいらないと言うと不思議がられる」「子供は嫌いと公言すると性格悪く見られるから大きな声では言えない」など、人生の選択に自信を持てず悩む女性の声が多く見られる。

人口減少の背景もあり、子を持たない選択をした女性がマーケティング上で現段階~近い未来で巨大な「マス」にまで成長するとは考えにくいが、彼女たちを一つのマーケットと捉えて施策を打つ価値は十分にありそうだ。

 

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