厳しさ増す視聴者のCMチェック 月桂冠の動画「木べらの使い方」にイライラ
月桂冠が先月公開したCM動画に、ツイッター上で「見ていてイライラする」などの投稿が相次ぎ今話題になっている。話題になっているのは「『すき、つき、レシピ』キッチンおいしい編」。彼女が料理をしている自撮り動画を彼氏に送るというストーリで、女性が料理をするシーンだ。木ベラをわずかに動かして炒め物をするその料理姿に、「木ベラの使い方がイライラする」「呪術的儀式」「木ベラで味見するな」などの指摘が寄せられている。
月桂冠は他にもYouTubeチャンネルの中にCM動画を複数公開しているが、話題を集めているこちらの動画だけ突出して視聴回数が多く、数千回程度の他の動画に対し、こちらは150万回。
投稿内容は「卑劣な動画批判」とまではいかずブランドイメージを損なうような影響はないようだが、結果的には「話題性」という意味では新しい注目の寄せ方だ。実際にこの「木ベラの使い方」が話題になっているのをきっかけにCM動画までたどり着いた視聴者もいるようだ。
SNSで自分の意見を自由に発信できるようになったことで、最近は、企業のCMに対する視聴者の「チェック」が厳しくなっている。今年4月には、三ツ矢サイダー(アサヒ飲料)のTV=CM「僕らの爽快編」に「危ない」などの危険性を指摘する書き込みがネット上で相次いだことで急遽公開を中止、ホームページ上で謝罪する事態となり、ユニチャームは「女性のワンオペ」を肯定するようなCM動画の内容に女性たちから反感の声が上がりネガティブなイメージを持たれてしまった。
価値観は人それぞれなので視聴者からあがる全ての声をCM制作に反映することはできないが、公開後に視聴者たちの細かいチェックが多方面から入ることは必ず意識しておきたい。
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