夏は要注意 致死率高いマダニ感染症、スイスでは政府が予防接種を推奨

致死率が高い「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、マダニの媒介で感染する。国立感染症研究所によると2019年のSFTSの報告は102人、そのうち死亡者数は5人だった。これまでは2017年の感染者数90人が最多だったが、2019年は初めて報告者数が100人を超えた。

SFTSとは、SFTSウイルスに感染することにより引き起こされる病気で、主な症状は発熱、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状が中心。重症化すると死亡することもある。多くの場合は、SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染する。

マダニの活動が盛んになるのは春から秋。この時期は山登りや農作業、キャンプなど野外活動が増える時期であることから、メディアや自治体が注意喚起を促している。

国立感染症研究所によると感染症発生は高齢者に集中しており、これまでの死亡例についても50代以上となっているとのこと。

日本国内では国民全体の危機意識が低いマダニ感染症だが、スイスでは、政府がマダニ感染症の予防接種を国民全員に促すほど。スイスの政治や文化、社会などのテーマについて報道を行うSWI swissinfo.chの2019年1月の掲載記事によると、マダニ感染症の予防接種はこれまで特定の地域でのみ推奨されていたが、症例増加を受けて推奨地域を全国に拡大したとのこと。ダニ媒介性脳炎の報告例が2017年の100件から18年は380件に急増したためだ。

 

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