人工甘味料入り飲料の摂取で高齢女性の脳卒中リスク増

高齢女性は、人工甘味料を添加した炭酸飲料や清涼飲料水の摂取量が多いほど、脳卒中の発症リスクが高まる可能性があることが、米アルバート・アインシュタイン医科大学准教授のYasmin Mossavar-Rahmani氏らの研究で明らかになった。研究の詳細は「Stroke」2月14日オンライン版に発表された。

この研究は、1993~1998年にWomen’s Health Initiative(女性健康イニシアチブ)に参加した女性8万1,714人(参加当時は50~79歳)を対象に、平均で11.9年間、前向きに追跡したもの。参加した女性には、全般的な健康状態に加えて人工甘味料入りの炭酸飲料や清涼飲料水の摂取頻度を尋ねた。なお、この研究では、人工甘味料入り飲料の種類には着目しなかった。また、対象女性の64.1%は人工甘味料入り飲料をほとんど摂取しておらず(まったく摂取していないか、週に1杯未満)、1日2杯以上と大量に摂取していた女性は全体の約5%に過ぎなかった。

その結果、血圧や喫煙歴、年齢などの因子を考慮して解析しても、人工甘味料入り飲料を多量に摂取すると、心血管疾患リスクが上昇することが分かった。例えば、人工甘味料入り飲料を1日2杯以上飲む女性は、週に1杯未満の女性に比べて全体的に脳卒中リスクは23%高く、脳梗塞リスクは31%高かったほか、冠動脈疾患リスクは29%、全死亡リスクは16%高いことが明らかになった。

特に、心血管疾患、糖尿病の既往がない肥満女性と黒人女性では、人工甘味料入り飲料を習慣的に摂取すると脳梗塞リスクが2~4倍であった。一方、この結果が男性や若い女性にも当てはまるかどうかは明らかになっていないという。

Mossavar-Rahmani氏によると、対象女性の食事の栄養状態を考慮しても、この結果は変わらなかった。しかし、今回は因果関係を証明するものではなく、同氏は「このような関連がみられる理由について、さらに研究を重ねていく必要がある」と述べている。

専門家の一人で米テキサス大学サウスウエスタン医療センター臨床栄養学部のLona Sandon氏は「ダイエット飲料であるかどうかにかかわらず、炭酸飲料にカロリー以外の栄養価はない」と話す。このような飲料を牛乳や100%果汁の代わりに飲んでいるとしたら、心血管系に保護的に働く栄養素を摂取できていないということになり問題だ、と同氏は指摘している。

こうした研究結果に対し、人工甘味料を扱う業界を代表する団体であるCalorie Control CouncilのRobert Rankin氏は、ダイエット飲料を摂取する女性の多くは既に肥満を抱えている場合が多いと指摘する。「研究に参加した女性は、既に健康リスクが高いケースが多い。カロリー摂取量をコントロールするために低カロリーの人工甘味料入り飲料を選んでいたのは、こうした飲み物が、体重や血糖コントロールに安全かつ有益であることが証明されているからではないか」と同氏は主張している。(HealthDay News 2019年2月14日)Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.

 

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