【Weekly News】女子中高生の自殺者数が男子超え/完全栄養食の標準化へ/グローバルサウスで進む女性ヘルスケア実証など

女性ヘルスケア市場を日々ウォッチしている編集部が、今押さえておきたいニュースを厳選して紹介する週間ハイライト「Weekly News」。今週からの仕事に役立つ政策動向や業界の動きなどを、まとめてチェック!Weekly Newsは、週1回配信のニュースレターから受け取れます。

Weekly News 7選

自殺対策白書、小中高生538人で過去最多 女子中高生は男子を上回る

厚生労働省は10月23日、「令和8年版自殺対策白書」を閣議決定した。2025年の自殺者数は1万9188人で、統計開始以降初めて2万人を下回った。一方、小中高生の自殺者数は538人と、1980年の統計開始以降で過去最多を記録。特に女子中高生の増加が目立ち、女子中学生は23年以降、女子高校生は24年以降、それぞれ男子の自殺者数を上回っている。白書では、自殺対策基本法の制定から20年間の取り組みを振り返り、子ども・若者の自殺者数が増加している背景などを分析した。25年の小中高生の自殺者数の内訳は、小学生10人、中学生172人、高校生356人。原因・動機としては「学校問題」が最も多く、「健康問題」「家庭問題」が続いた。健康問題の割合は学校段階が上がるにつれて高まり、特に女子高校生で増加する傾向がみられた。

また、自傷・自殺未遂で救命救急センターを受診した人のデータも分析。軽症・中等症の症例では、過去に自傷・自殺未遂の経験がある割合が男性より女性で高く、29歳以下の女性では約6割に上った。政府は白書を踏まえ、相談支援の充実や子ども・若者の自殺対策の強化などを進める方針を示している。

厚生労働省 「令和8年版自殺対策白書 」

【出典】厚生労働省 「令和8年版自殺対策白書 」より

 

国民医療費、過去最高の48.8兆円 65歳以上が6割、訪問看護は18.5%増

厚生労働省は10月30日、「令和6(2024)年度 国民医療費の概況」を公表した。2024年度の国民医療費は48兆8100億円で、前年度から7185億円(1.5%)増加し、4年連続で過去最高を更新した。人口1人当たりの医療費は39万4300円で、前年度比2.0%増となった。国内総生産(GDP)に占める国民医療費の割合は7.60%で、前年度の7.76%から低下した。年齢階級別では、65歳以上の医療費が29兆3491億円で、全体の60.1%を占めた。人口1人当たりの医療費は、65歳未満が22万2300円だったのに対し、65歳以上は80万9800円と約3.6倍に上った。診療種類別では、医科診療医療費が34兆8941億円で全体の71.5%を占め、薬局調剤医療費は8兆5742億円(17.6%)、歯科診療医療費は3兆4059億円(7.0%)だった。訪問看護医療費は6785億円で、前年度の5727億円から18.5%増加。診療種類別では特に高い伸びを示した。

国民医療費は、医療保険制度等による傷病の治療に要した費用を推計したもので、正常な妊娠・分娩や健康診断、予防接種などの費用は含まれない。

 

グローバルサウスで進む日本企業のヘルスケア実証 母子保健・乳がん検査など、支援成果を公表 経産省

経済産業省は10月19日、「グローバルサウス未来志向型共創等事業」の進捗と成果をまとめた「日本・グローバルサウス共創プログレスレポート2026」を公表した。2024~25年度に81か国で支援した464件のプロジェクトを地域・分野別に整理し、特に進捗の大きかった事例を紹介。ヘルスケア分野は全案件の12%を占め、母子保健、がん検査、生活習慣病予防など、日本企業による現地での実証・事業化に向けた取り組みが進んでいる。女性の健康に関連する案件では、SOIK(沖縄・読谷村)がコンゴ民主共和国でAI搭載型母子保健プラットフォームを活用し、農村部での妊婦健診体制を構築。303人分の妊婦健診データを取得し、AI支援型超音波検査の導入や医療従事者への研修を進めた。インドでは、未来イメージング(福島・いわき)が乳がん用PETの普及実証、インドネシアではiMARe(東京・日野市)が糖尿病・認知症予防を目的としたAI健康支援システムの実証に取り組んでいる。事業化の進展も見られる。23年度予算の小規模実証・実現可能性調査(FS)195件のうち、事業終了後1年目に39件で売上が発生し、5件が黒字化を達成した。レポートでは、現地ニーズへの適合、持続可能な収益モデル、現地主導の推進体制など、事業化に必要な6つの要素も整理。実証成果を現地で継続可能な事業につなげるための知見として、日本企業の海外展開にも活用できる内容となっている。

【出典】経済産業省 「日本・グローバルサウス共創プログレスレポート 」より

【出典】経済産業省 「日本・グローバルサウス共創プログレスレポート 」より

 

国内飲料市場5.38兆円、販売数量減も金額ベースでは拡大 ノンカフェイン飲料など伸長

矢野経済研究所は10月23日、国内の飲料市場に関する調査結果を発表した。2025年度の市場規模はメーカー出荷金額ベースで前年度比1.9%増の5兆3800億円。価格改定による販売単価の上昇が市場拡大を支えたものの、販売数量は前年度を下回った。物価高による節約志向の高まりを背景に、大型ペットボトル商品の買い控えや購入点数の削減、ナショナルブランド(NB)から低価格なプライベートブランド(PB)への切り替えが進んだ。同研究所は、販売数量の確保には、価格に見合う商品価値や購入理由を明確に示すことが重要だと分析している。健康価値や嗜好性も、商品選択の重要な要素として挙げている。茶系飲料では、水分補給に適した麦茶やブレンド茶に加え、ノンカフェインのルイボスティーやコーン茶などが伸長。ミネラルウォーターや茶系飲料では、水源や味わい、環境対応、ノンカフェインなど、価格以外の選択理由を示す必要性が高まっているという。

26年度の市場規模は前年度比0.3%増の5兆3950億円を予測。販売数量は前年割れが続く可能性があるとみている。2030年度に向けては、人口減少を背景に販売数量の緩やかな縮小が続くものの、価格改定の浸透や高付加価値商品の拡大により、金額ベースでは横ばいから緩やかな拡大を見込んでいる。

 

完全栄養食の共通ルール整備へ、日本最適化栄養食協会が新チーム発足を宣言

日本最適化栄養食協会は10月27日、食品市場の共通ルール整備と国際標準化を目指す「栄養食品ワーキングチーム」の発足を発表した。東京・千代田で19日に開催された「フードテック官民協議会 第2回総会・提案報告会」で発足を宣言したもので、産学官の知見を結集し、栄養食品市場の健全な発展に向けた基盤づくりを進める。背景には、完全栄養食市場が拡大する一方、統一規格がなく、各社が独自の基準で製品を展開している現状がある。同協会は、消費者の混乱を防ぐために共通ルールの整備が必要と指摘。中高年の肥満、若年女性の低栄養、高齢者のフレイルなどの健康課題も挙げ、日常の食事を通じて栄養バランスを整える重要性を訴えた。

同協会は、年齢や性別、生活習慣などに応じて主要な栄養素を調整し、健康への影響をヒト試験などで検証した食品を「最適化栄養食」と定義。栄養設計基準の登録や製品認証を行っている。2023年7月の初認証以来、認証製品の累計出荷数は2026年3月末までに5400万食を突破した。今後はワーキングチームの活動を通じて、産学官の連携による共通ルールの整備と、日本主導の国際標準策定を目指す。

日本最適化栄養食協会がフードテック官民協議会 第2回総会

【出典】日本最適化栄養食協会(左:「栄養食品ワーキングチーム」発足について説明する様子。右:“最適化栄養食”に関する説明を受ける森下政務官)

 

2026年度グッドデザイン賞、全1484件の受賞作品を展示 医療機器やサービスも

日本デザイン振興会が主催する「2026年度グッドデザイン賞受賞展」が10月31日、東京ミッドタウン(東京・港)で始まった。11月4日まで開催する。今年で70回目を迎えたグッドデザイン賞は、製品や建築、サービス、社会課題の解決に向けた取り組みなど、幅広い分野のデザインを評価・推奨する制度。15日に発表された2026年度の受賞結果では、審査対象5111件のうち1484件が選ばれた。ヘルスケア関連では、最高賞のグッドデザイン大賞に次ぐ「グッドデザイン金賞」に、ソニーサーモテクノロジーの、体表面を冷やしたり温めたりできるウェアラブルサーモデバイス「REON POCKET」や、貝印の子どもでも使えるカミソリ「なでそり」が選ばれた。女性の健康関連では、ワコールのサニタリーショーツ「YO JOY」、メデラのハンズフリー電動さく乳器や注ぎやすい母乳保存バッグなどが受賞した。

受賞展では、全受賞作品を9つの会場で紹介。日用品や家電、家具をはじめ、医療機器や業務用機器、建築、サービス、地域の取り組みなど、多彩なデザインが集結する。グッドデザイン大賞や「グッドデザイン・ベスト100」、長年愛され続けるデザインを評価する「ロングライフデザイン賞」の受賞作品も展示する。会場では受賞製品の販売や関連イベントも実施。入場無料、事前予約不要。

 

ドイツ、13歳未満のSNS利用禁止へ基本方針を閣議決定 健康診査でも過剰利用に対応

ドイツ政府は10月14日、子ども・青少年のデジタルメディア保護を強化する基本方針を閣議決定した。13歳未満のSNS利用を原則禁止する国内の暫定規制を設ける方針で、13〜17歳にも年齢に応じた利用制限を導入する。また、デジタルメディアの過剰利用による睡眠障害や肥満、発達への影響を踏まえ、子どもの健康診査でも利用に伴うリスクの把握と相談・助言を重視する。

今回の基本方針は、独立した専門家委員会が9月に公表した56項目の提言を踏まえたもの。ドイツ政府は、SNSの利用年齢制限や依存を促すサービス設計の禁止などを盛り込んだEUの新法案「EU KIDS Act」を支持するとともに、EU共通の最低利用年齢が定められるまでの間、国内で暫定的な規制を整備する。13歳未満の利用禁止には、子ども向けとして適切であることが確認されたサービスの例外を設ける方針。2027年からは、欧州デジタルIDウォレットのドイツ版「d-you」を活用した年齢確認の仕組みも提供する。健康分野では、すでに導入が決定されている9〜10歳向けの新たな健康診査と、青少年健康診査「J1」において、デジタルメディア利用に伴う健康リスクの早期発見と、それに応じた相談・助言を重視する。

 

女性ヘルスケア白書2026 市場動向予測レポート

2026年度の女性ヘルスケア市場を予測する「女性ヘルスケア白書2026年度版  市場動向予測 ~健康トレンド・業界動向・女性ニーズ~」を発行しました。これまでにBtoC企業、BtoB企業、自治体、医療機関、マスメディア、教育機関など、さまざまな業種の方に広くご活用いただいている、恒例の人気レポートです。新規事業の企画・開発、マーケティング設計、販売戦略における意思決定にご活用ください女性ヘルスケア白書2026 市場動向予測レポート(PC)

 

【直近1ヶ月のWeekly News】
■女性の健康長寿市場に3500億ドルの未充足需要/国内EC市場27.6兆円 など(10/26)
■栄養機能食品の表示25年ぶり見直し/化粧品市場2.6兆円/WHOが妊娠高血圧対策(10/19)
■乳がん啓発都内100銭湯で新企画/健診後の健康行動に男女差/腸活市場8840億円へ(10/13)
■EU「性別特有の疾患」への対応強化、女性の健康戦略/WHO、熱中症対策で新指針(10/5)
■100歳以上が初の10万人、女性9割/WHO、避妊の選択肢拡大へ新ガイドラインほか(9/28)

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