「化粧品の動物実験は時代遅れ」830万人の署名を国連へ ザ・ボディショップ
世界の80%の国は化粧品の動物実験を今なお違法としておらず、推定で毎年50万匹以上の動物が化粧品の実験に使われている。だが動物実験廃止を求める消費者の声は年々高まり、動物実験を続行する企業への風当たりは増すばかり。今月4日、この流れを世界的に強める動きがあった。
「世界動物の日」である10月4日、ザ・ボディショップと、化粧品の製品や原料の動物実験廃止を推進するクルーエルティフリーインターナショナルが、化粧品の動物実験に反対する830万人の署名をニューヨーク市の国連本部に提出した。これは国連の「持続可能な開発のための2030のアジェンダ」を前進させると同時に、「全世界で化粧品の動物実験を永遠に禁止するための国際条例の執行」を求めるもので、世界中のザ・ボディショップの客などからわずか15カ月で署名を集めた。
ザ・ボディショップは、化粧品の動物実験反対のキャンペーンを行った最初のビューティブランド。国内でも女性たちの間によく知られている人気ブランドだ。同社はクルーエルティフリーインターナショナルと30年以上にわたり動物実験反対の活動を続けており、今回の取り組みを「活動の頂点」としている。これまでにもすでに大きな進展があり、EUでは2013年に全ての化粧品の動物実験が禁止され、EU域外で動物実験された製品の販売も禁止された。しかし世界の80パーセントの国では、いまだに化粧品の動物実験を非合法化していないのが現状だ。ザ・ボディショップCEOのデイビッド・ボイントンは次のように述べている。
「わずか15カ月で800万人以上の人々が自分の名前を署名しました。化粧品の動物実験は時代遅れで、残酷で、不必要だと認識しているからです。私たちは、創業者のデイム・アニータ・ロディックが1989年に始めた仕事を、必ずやり遂げる決意です。本日私たちは国連で特別なイベントを主催します。化粧品業界、市民社会、各国政府の間の協力を呼びかけ、あらゆる場所で化粧品の動物実験に終止符を打つためです」
ザ・ボディショップを始め各クルーエルティフリー企業では動物実験を行なわずに信頼性ある代替方法を採用したりクルーエルティフリー(※)な原料を全製品に使用しており、その姿勢が高く評価され消費者から支持されている。世界的に見ると動物実験を行っている国の方が圧倒的に多いが、SNSによる拡散も手伝い、動物実験に反対する流れは今後確実に高まるはずだ。(※動物実験を行っていない、または動物由来の成分を含まない、の意味)
本キャンペーンには世界中の消費者誰もが参加でき、ツイッターとインスタグラムから「#ForeverAgainstAnimalTesting」で支持を表明できる。ザ・ボディショップの日本HPでは、今回の取組とこれまでの取組について掲載している。
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