ダイエットアプリ5選|人気アプリの特徴と市場動向(3/4)

女性に人気のダイエットアプリの特徴

女性に人気のダイエットアプリの最近の傾向は、「パーソナライズ」「ゆるく実践」「記録が簡単・管理が楽々」「部位別トレーニング」。年齢に関係なく女性は男性よりも一般的にヘルスケア意識が高いのでダイエット人口は多いが、ダイエット決断後に本格的な運動や食事制限に取り掛かるのは男性の方が得意。自分に負荷をかけすぎるのが苦手な女性は、厳しい食事管理や本格的な筋トレアプリよりも「シンプルな機能・簡単な操作で、自分の性格や目標に合ったプログラムでゆるく続けられるダイエットアプリ」を好む。また、多くのダイエッターの課題である「継続」に着目し、ユーザーをアプリ内で音声やテキストで応援したり褒めるアプリは「頑張って続けられる」とのレビューが集まり人気。

ダイエットアプリの市場動向予測

カロリー計算やカスタマイズプログラムを提供する機能は今や基本機能になりつつあり「あって当たり前」、アプリの利用に慣れているユーザーなら目新しさは感じなくなっている。また、AIを活用したより性能の高い解析・アドバイスを提供するアプリは今後さらに増えていくのも必至。では、今後はどのようなダイエットアプリが女性市場で注目を集めるのか?ダイエットアプリ機能の「コンセプト」をレベルアップさせる必要がある。コンセプトキーワードは「エンターテイメント」「体のトータルサポート」「メディカル」「中高年層向け」。

【キーワード1】高いエンターテイメント性

ダイエット効果以上に、モチベーション維持が最重要視されるダイエット。ユーザーのダイエットの継続率を上げるために、アニメーションの活用やオリジナルスタンプの提供、運動量に合わせてアプリ内で旅行ができるなどゲーミフィケーションを取り入れたアプリがすでに数多く出ているが、高いエンターテイメント性を追求したアプリはまだまだ開拓の余地がある。特にダイエットの継続が苦手な女性たちからの支持を得るはず。

AR、VR、MRなどの先進的技術を活用したアプリや、ダイエットアプリに活躍の場を広げるYou TuberやV Tuberの登場が相次ぐだろう。バーチャル恋愛の人気の高まりで、特にバーチャル彼氏によるダイエットサポートは女性の心をつかみそう。

キーワード2】体重も体型も不調もトータルサポート

ダイエットアプリといえば、減量や体型改善をゴールにしているものが主流だが、今の女性たちが必要としているのは、もっと包括的かつ健康的に自分の体をサポートしてくれる頼れるアプリ。

月経サイクルやストレスで心身がダメージを受けやすい女性の体は、年中デリケート。日々管理・ケアしたいのは体重だけではない。肩こり、腰痛、PMS、便秘、むくみ、慢性疲労、頭痛、ストレス、メンタルなど多岐にわたる。また昨今の健康ブームに加え2017年にセルフメディケーション税制が始まったことで、「自分自身でヘルスケアに取り組む」意識は高まっている。

一つのアプリで自分の不調を総合的にケアできれば、利便性の高さが評価され、長期的にアプリを利用する女性ユーザーが増えるだろう。ただし、年代やライフステージによって女性が抱える不調の傾向は異なるので、ターゲットをしっかり設定した上でコンテンツの詳細を構成したい。

【キーワード3】メディカル起点

持病を持つ人の中には、塩分制限・糖質制限・たんぱく質制限・カリウム制限など細かい食事制限を守りながらダイエットに取り組まなければならない人がいる。特定の運動に取り組まなければならない人もいれば、過度な運動量を制限されている人もいる。そのような人たちにとって食事・運動管理を始めとした体の管理は、専門知識を必要とするため “時間も労力も奪うストレスタスク” になりがち。医療機関や食の専門家と連携し、持病に合わせたカスタマイズプログラムが提供されるなら、罹患者に有益なダイエットアプリとなるはずだ。

【キーワード4】中高年層向け

アプリユーザーは一般的にデジタルネイティヴ世代に多く、中高年層においてはスマホを持っていてもアプリを利用していない女性は多い。だが、加齢や更年期症状で体重増加や不調が出やすい中高年女性こそヘルスケアニーズが高く、健康行動者率は高い。

第2次ベビーブーマーにあたる団塊ジュニア世代は今の40代で、ちょうど更年期症状に悩まされる時期。デジタルネイティヴ世代より少し上の世代になるがスマホ所有率は高いので、更年期症状のケアも同時にできるダイエットアプリは重宝されるだろう。ただしデジタルを使いこなすモチベーションはデジタルネイティブ世代ほど高くはないので、操作性を頓挫にしないことと、利用率・継続率向上のための仕掛けは必須。

60代以上の女性はさらに健康意識が高まり時間的余裕もあるため、食生活を気遣う人は多く、さらにスポーツの行動者率も高い。この年代のスマホ所有率も徐々に上がっているので、60代の包括的なヘルスケアニーズに適した機能があればユーザーはこれから増えていくはず。ただしデジタルの利用に対する心理的ハードルが高いので、操作性や機能は徹底的にシンプルを心がけるのがマスト。

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