女性が病気になった時の、情報収集行動
病気になった時、女性たちはどのような情報収集行動をとるのだろうか?その参考になる調査をアストラゼネカが実施した(卵巣がん患者情報収集に関する調査,2021.9)。対象者は卵巣がん患者に限定されているが調査結果を見ると、他がんや、長期の治療や手術を必要とする病気全般にも当てはめて読み取ることができる。
病気・治療・手術に向き合うことになった女性のうち何割が情報収集を始め、どんな情報をどんな情報源(人・媒体・デバイス)から得て、そして、情報収集にあたりどんなことに困っているのか?女性患者の情報ニーズを知りたいマーケターがチェックしておきたい調査結果。
女性患者の情報収集行動(情報源、困り事など)
調査は、10年以内に卵巣がんと診断された20代以上の女性(111名)を対象に、卵巣がん患者の情報ニーズや困りごとの把握を目的に実施された。卵巣がんと診断された女性はそのほぼ全てが情報収集を始めるものの、様々な不便を強いられていることが明らかになり、ワンストップかつ信頼できる情報環境の整備が求められていることが確認された。以下は主なファインディングス。
- 診断された後に卵巣がんに関する情報を調べた患者…93%
- 診断された後に調べた内容
1位:治療全般…78%
2位:経過・予後…67%
3位:卵巣がんとは何か? …57%
4位:他の患者の治療・生活…48%
5位:治療中の生活…35% - 診断された後に調べた情報源
1位:医療情報関連サイト…65%
2位:病院のHP…44%
3位:医師…29%
3位:患者ブログ…29%
4位:製薬会社のHP…18%
5位:書籍…14% - 情報収集の際に困難を感じた患者…62%
- 情報収集の際に困ったこと
1位:信頼できる情報がどれかわからなかった…56%
2位:色々なサイトを見に行かなければならなかった…39%
3位:すぐに欲しい情報が見つからなかった…33%
4位:何を調べたらいいかわからなかった…28%
5位:どこで調べたらいいかわからなかった…25%
6位:誰に聞いたらいいかわからなかった…23%
7位:医師に質問できなかった…14% - 医師からの治療説明を診察時間の中で質問できず、疑問が解決できなかった患者…46%
- 卵巣がんに関する様々な情報が一箇所にまとまっていると便利だと思っている患者…72%
- 「卵巣がん患者の体験談」が治療意欲向上の要因になった患者…31%
- 担当医師からの治療内容の説明をすぐに理解できなかった患者…41%
- 担当医師に質問や相談をするのを躊躇する患者…46%
- 信頼性の高い情報源
1位:医師
2位:病院のHP
3位:医療情報関連サイト
4位:学会
5位:製薬会社のHP
6位:患者の体験記
7位:書籍
8位:患者同士の情報
9位:講演会
10位:家族・知人
11位:SNS
12位:YouTube - 治療に関する相談相手
1位:家族…56%
2位:医療従事者…55%
3位:知人・友人…22%
調査項目
調査結果の詳細はレポートから閲覧可。病気・不調に関する情報サービスを提供する企業やオウンドメディアを持つ企業のみならず、自社商品の訴求ポイントや新規商品開発のヒントを得たい企業も参考になる。全調査項目は以下。
- 患者が情報を調べた割合
- 患者が調べた情報項目
- 疾患に関する情報源
- 患者が情報収集時に困難と感じられた割合
- 医師の治療内容の説明に対する理解度と質問や相談のしやすさ
- 卵巣がんについての様々な情報が一箇所で収集できることへのニーズ
- 患者が使用する情報収集のデバイスとツール
- 治療意欲向上の要因
- 担当医師からの治療内容の説明に対する理解度
- 担当医師への治療内容の質問や生活面での相談
- 情報収集の主体(誰が卵巣がんの治療に関して情報収集を実施したか)
- 疾患の情報収集の際に使用するデバイス(年齢別)
- 使用しているSNSツールやアプリ(年齢別)
- 情報源の信頼性
- 治療の決定の方法に対する感じ方
- 卵巣がん治療に関する患者の相談相手
- 理解度別年齢構成
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