2021年、健康意識・行動・気になる健康ワードはこうなった(性別・年代別)

ニューノーマル2年目となった2021年。緊急事態宣言が発出された当初は、生活不便・我慢・ストレスなどから様々な健康問題が浮上したものの、人々は徐々に新しい生活やサービスに順応。今年は健康管理をうまくハンドリングできる人が増えた。コロナ禍であることに変わりはないものの、健康意識・行動・関心ゴトはこの2年の間で微妙に変化を続けている。具体的にはどうなったのか?サントリー食品インターナショナルが、コロナ禍2年目の人々の健康実態を探る調査結果を公表したので見てみようウェルビーイング トレンドサーベイ2021

調査結果サマリー

調査は20〜70代の男女2,700人を対象に実施。サントリー食品インターナショナルが2018年に開始した「100年ライフプロジェクト」の活動の一環として実施している調査で(ウェルビーイング トレンドサーベイ)、今年は、長期化する新型コロナウイルス感染症流行下の生活や、アフターコロナに向けた健康への意識や行動について、昨年の調査との比較をしながら結果をまとめた。主なファインディングスを見ていこう。

コロナ禍で「健康になった」「不健康になった」、二分化

「新型コロナの影響についてあてはまるもの」を聞いたところ、「健康的になった(50.4%/男女)」「不健康になった(49.6%/男女)」と、二分化する結果となった。調査を実施した同社によると、「昨年調査時よりも『不健康になった』人の割合が上昇しており、長期化するコロナ禍で健康状態に影響がでていることがわかった」とのこと。ニューノーマルに順応できるようになったものの、今後さらに長期化した場合は、健康格差が顕著になる可能性がある。

【出典】サントリー食品インターナショナル

コロナ禍で「健康投資するようになった」、6割

上記と同じ質問の中で「健康に投資するようになった」と回答した人は58.8%(男女)で半数を超えた。コロナ禍で健康需要が伸びたことが各所調査で明らかにされている通り、生活者の健康ニーズはやはり高まったようだ(参照図1)

コロナ禍で「健康的になった」理由

続いて、前の質問で「健康的になった」と回答した人にその理由を聞いたところ、次の結果に。働き方の変化、感染対策、外出自粛によるストレス対策、おうち時間の充実ニーズを背景に、結果的にあるいは意識的に健康行動が増えた様子がうかがえる。( )内は男女全体の割合。 

  • 1位:外食や飲み会をする機会が減ったから(38.9%)
  • 2位:栄養バランスに気をつけるようになったから(34.7%)
  • 3位:自炊する機会が増えたから(28.8%)
  • 4位:健康意識や日常生活について見直す機会が生まれたから(28.1%)
  • 5位:アルコールを飲む機会や量が減ったから(19.6%)

【出典】サントリー食品インターナショナル

コロナ禍で「不健康になった」理由

一方で「不健康になった」と回答した人にその理由を聞いたところ、次の結果に。やはり圧倒的に多いのは「ストレス」。他、「運動の機会が減った」「睡眠の質が低下した」「夜遅くまでダラダラして生活が不規則に」「栄養バランスが偏った食事が増えた」など、不規則な生活になったことを挙げている人が多い。( )内は男女全体の割合。 

  • 1位:コロナ禍になったことでメンタルの不安やストレスが生まれたから(37.6%)
  • 2位:体重が増えたから・太ったから(35.8%)
  • 3位:ランニングやウォーキングなど外で運動をする機会が減ったから(24.8%)
  • 4位:睡眠時間が減ったり睡眠の質が低下したから(20.8%)
  • 5位:夜遅くまでダラダラとして不規則な生活になったから(17.9%)

【出典】サントリー食品インターナショナル

ニューノーマルをポジティブに捉え、新たに生まれた時間を有効活用しようと健康行動を始めた人がいる一方で、自由時間が増えたことで生活に緊張感がなくなり、生活がだらけてしまった人も。「健康的になった」「不健康になった」の二極化の背景にあるのは、ニューノーマルに対する順応力や捉え方の違いが大きいようだ。

コロナ長期化で、健康悩みは昨年より増

「新型コロナの感染拡大後、気になるようになった症状」を聞いたところ、次の結果に。( )内の数字は前年比で、男女全体の割合。

  • 1位:ストレス(5%増)
  • 2位:肩こり・腰痛(2.9%増)
  • 3位:目の疲れ/かすみ目(5.2%増)
  • 4位:体重の増加(0.7%減)
  • 5位:肉体疲労/疲れやすい(3.5%増)

なお、ほぼ全ての項目において今年は昨年より該当者の割合が上昇。コロナ長期化により心身への影響が出ている人が増えていることがわかった。

【出典】サントリー食品インターナショナル

コロナ長期化で、健康意識・行動者率は上昇

コロナ長期化で、健康意識・健康行動者率ともに上昇していることもわかった。自粛生活による”慣れ”から、今年は人々の気の緩みが各所から指摘されたが、健康維持・増進に対する考えはより強くなっているようだ。

まずは健康意識から見てみよう。「新型コロナの流行によって、健康意識に変化はあったか?」と聞いたところ次の結果に。トップ5を含めほぼ全項目において、該当者の割合が前年より高くなっている。健康意識が全体的に高まっていることがわかる。( )内の数字は前年比で、男女全体の割合。

  • 1位:日頃から、病気にかかりにくい身体づくりが大切だと思うようになった(2.7%増)
  • 2位:健康リスクは誰にでも起こりえると思うようになった(0.3%増)
  • 3位:自分のカラダを守れるのは、自分だけであると思うようになった(4.3%増)
  • 4位:社会全体の衛生意識が高まってほしいと思うようになった(0.7%増)
  • 5位:家族の健康状態が気になるようになった(0.6%増)

【出典】サントリー食品インターナショナル

 

続いて、健康行動。「現在行なっていること」を聞いたところ次の結果に。こちらも同様にトップ5を含めほぼ全項目において、該当者の割合が前年より高い結果に。健康行動者率においても、昨年に比べ今年は全体的に高まったことがわかる。( )内の数字は前年比で、男女全体の割合。

  • 1位:自炊(2%増)
  • 2位:家でできる運動(0.5%減)
  • 3位:ストレスを溜めないよう心がける(2.7%増)
  • 4位:免疫力向上が維持できる食材を食べる(2.2%増)
  • 5位:将来の健康リスクに備える、予防対策をする(2.5%増)

【出典】サントリー食品インターナショナル

 

気になっている健康ワード

最後に「気になっている健康ワード」を見てみよう。「メディアや周りから聞いて、あなた自身が気になる健康に関するキーワード」を聞いたところ、次の結果に。こんな時期なので、男女ともに全年代で第一位は言わずもがな「新型コロナウイルス感染症」だが、2位以降については特徴的な違いが見られた。

例えば女性においては、若いほど「ダイエット/減量」を気にしている人が多く、中年層は「更年期/更年期障害」がトップ10にランクイン。高齢層においては「認知症/アルツハイマー病/物忘れ」「骨粗しょう症」がランクイン。性・年代特有の健康問題や関心ゴトが見える結果となった。

【出典】サントリー食品インターナショナル

 

調査項目

調査結果の詳細はレポートから閲覧可。コロナ禍における健康実態調査はこれまでに各所が調査を実施しているが、同調査は各質問で用意している回答項目が細かく、さらに性別・年齢階級別に集計しているのでニーズや関心ゴトを読み取りやすい。コロナ長期化を見据えた際のマーケティング設計で活用できる。全調査項目は以下。

I.コロナ禍における健康実態
(1)コロナ禍における生活の変化
(2)気になる自身の健康に関するキーワード
(3)コロナ禍で気になる症状

II.コロナ禍における健康意識・健康行動の変化
(4)コロナ禍における健康意識の変化
(5)コロナ禍で実践している健康行動
(6)健康行動の実施率
(7)健康行動が実施できていない理由 

III.アフターコロナの健康意向
(8)アフターコロナの健康意向
(9)アフターコロナの健康行動意向

IV.健康と飲料
(10)健康を意識して飲用する飲料やトクホ・機能性表示飲料の飲用実態
(11)トクホ・機能性表示飲料商品に対するニーズ
(12)トクホ・機能性表示飲料がもたらす健康意識・行動への影響

 

 

 

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