ライフステージの視点で考える「睡眠負債」を最も抱えやすい年代とその理由
疲労やストレスの増大で近年の睡眠市場は活況だ。加えて睡眠負債による病気のリスクや死亡リスクが昨年話題になったことで、生活者の睡眠を重視する傾向はさらに強まっている。では、その中でも特に睡眠を見直すべきと考えられるのは何歳の人たちだろうか?
最も短いのは40~50代
平成28年 国民生活基礎調査(厚生労働省)による「年齢階級別にみた平均睡眠時間の構成割合」から、各年代の最も多い平均睡眠時間を見てみよう。10代・20代・60代・70代は「6〜7時間」、80歳以上は「7〜8時間」が最も多いが、40代と50代で最も多いのは「5〜6時間未満」。40代・50代は他の年代よりも睡眠時間が短い人が多いことがわかる。
「男女ともにタスクが増える時期」が関係か?
睡眠時間が短い理由までは調査されていないが、考えられるのは、40代・50代は子の教育・親の介護・仕事量の増加など男女ともにタスクが多いことだ。子どもがいる家庭なら、子どもは中学生・高校生・大学生で手はかからなくなっているが、弁当作りや部活のサポートなど親のサポートが必要とされている上に、思春期の子どもとの関係に悩みやすい時期でもある。
女性の場合は子どもが生まれた時に離職する人もいるが、未子が小学校高学年あるいは中学校に入学するタイミングで復職する人は多く、住宅ローンや子どもの教育関連の支出を補うために40代・50代は夫も妻もともに働き盛りだ。加えて親の介護や病気に直面。女性なら更年期に突入し、睡眠の質は低下しやすい。
40代・50代は人生の中で最もタスクに追われる時期であることを考えると、この年代の人たちの睡眠時間が他年代よりも短いことに納得できる。言い換えれば、人生の中で最も睡眠負債を抱えやすい時期だ。この年代の人たちへは特に、睡眠力の向上を強く訴えていくべきだろう。
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