猛暑で変わる女性の“夏”観 男性よりネガティブ傾向が強く、外出控えや健康行動など多方面に波及
近年の猛暑で、女性たちの「夏」に対する意識や捉え方に変化が生まれている。リサーチ会社の日本インフォメーションが、調査で明らかにした。特に、夏の健康リスクが高まる中高年女性は夏そのものをネガティブに捉える傾向が強く、外出を控えたり体調不良を訴える割合も高い。企業の夏のマーケティング戦略にも、意識の転換が必要だ。
季節の定義が変化、夏は6〜9月
調査は今年7月に、20~60代の男女1,180人に実施。夏だと思う時期を聞いたところ、「10年前に夏だと思っていた時期」は7~8月がメインで平均は2.2ヶ月間だったのに対し、今は6~9月までを夏だと考える人が、男女合わせて7割を超え平均で3.6ヶ月間に及んだ。
10年前よりも夏が嫌いになった、7割超え
続いて、10年前と比べた夏の好意度の変化を聞いた。「好きな気持ちが増した」と回答した女性はわずか4.8%に留まった一方で、「嫌いな気持ちが増した」は74.9%に上った。年齢が高くなるほど「嫌いな気持ちが増した」の回答割合は上昇し、20代女性は69.2%に対し、60代は82.5%だった。性別では、全年代において男性より女性の方が「嫌いな気持ちが増した」は高い結果に。
「嫌いな気持ちが増した」が全体的に男性より女性で高いのは、後述する結果が示す通り女性の方が夏の不調を感じやすいことや、メイクや髪型の崩れなど、夏特有の不便・不満が背景にありそうだ。若年層より高齢層で高いのは、熱中症リスクと関係していると考えられる。
暑さによる生活への影響を感じているのは、男性より女性
夏の暑さによる生活への影響を選択してもらう質問では、全項目において男性より女性の回答割合が高く、女性の方が夏に不調を抱えたり行動に支障を感じている人が多いことがわかった。他にも、「食べるものが偏ってくる」「運動やトレーニングする機会が減る」など、不調出現の引き金ともなる行動の変化も見られた。夏の不調対策予防や、仕事や家事におけるパフォーマンス向上を求めるのは、男性より女性に強いと言えそうだ。
■女性全体のランキング
・1位:家事のやる気が下がる(66.3%)
・2位:外出の際の行動範囲が狭くなる(63.7%)
・3位:体調不良や疲労感を感じることが増える(60.4%)
・4位:買い物や外出頻度が減る(59.9%)
・5位:睡眠不足を感じることが増える(55.0%)
・6位:仕事のやる気が下がる(53.6%)
・7位:食欲が下がったり、食べるものが偏ってくる(51.2%)
・8位:光熱費の節約意識が下がる(48.5%)
・9位:火を使わない料理が増える(45.7%)
・10位:運動やトレーニングする機会が減る(45.5%)
■男性全体のランキング
・1位:体調不良や疲労感を感じることが増える(48.4%)
・2位:外出の際の行動範囲が狭くなる(46.9%)
・3位:仕事のやる気が下がる(44.4%)
・4位:買い物や外出頻度が減る(43.7%)
・5位:睡眠不足を感じることが増える(42.7%)
・6位:運動やトレーニングする機会が減る(41.1%)
・7位:食欲が下がったり、食べるものが偏ってくる(40.9%)
・8位:家事のやる気が下がる(40.8%)
・9位:光熱費の節約意識が下がる(37.3%)
・10位:集中力が散漫になりミスが増える(32.8%)
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